御出現
覇拿里荘の庭にゴトビキさまが出現し、春になった。
満開後の三椏の花、テダぬ鞠は中心部を除き急激に色褪せ、芳香の主軸は足下の菜の花に移りつつある。木蓮の花の蕾は日に日に大きく膨らみ、和毛の密集した殻の割れ目から、乳白色ががった薄緑色のきめ細やかな肌を覗かせてゐる。モミジの木の芽も既にほころびかけてゐて、赤紫色の枝葉が脈を打ってゐるやうだ。あとはてふてふの出現を待つばかり・・・
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日高睡足猶慵起 小閣重衾不怕寒
大昭寺鐘欹枕聽 珠穆峰雪撥簾看
天竺便是逃名地 司馬仍爲送老官
心泰身寧是歸處 故郷何獨在拉薩
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激しい現場工作の連続で、さすがの偉人の肉体にも疲労が蓄積し、貯蓄は無いし蓄膿も無いが、数年ぶりに栄養ドリンク剤を注入した。
ニンジンやローヤルゼリーの正体は生薬市場などで見たことがあるが、タウリンやニコチン酸アミドてう得体の知れぬ物質が体内でどのやうに作用するのかは知らんが、このやうな医薬品の効果の半分は心理的なものだらうから、飲んでゐる自分を鏡に映して睨みつけ乍ら飲んだことは言ふまでもない。
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今天は午後から現場へ。
昨天、中途半端な状態で掘削を終了せざるを得なかったK15石皿土坑の続き。不自然且つ意味深に直立させたやうに埋設された石皿と磨石、そして大きなチャートの円礫の配置は何を物語ってゐるのか。そしてK15石皿土坑に接するやうに存在する、X14小型集石土坑の存在。
K15が埋葬土壙である可能性は無いか? X14が祭祀遺構である可能性は無いか?
遺構の検出状況は正確に把握されてゐなければならないし、遺物の出土状況は詳細に記録されなければならないし、状況解釈の可能性は常に、全方向に解放されてゐなければならない。
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ところで今天は星期天こと日曜日で、圃場整備工事の方は休息の安息日であらうと思ってゐたが、見渡せば何台かの重機は稼働してゐる。年度末の工期調整の影響だらうか、それでも平日にはぶむぶむと行き交ふダンプや、きしきしギィギィと油の切れたイヤな音を立てて動き回ってゐるノリバケユンボは動いてゐないので、静かなものだ。
息抜きを兼ねて、側溝工事の行はれてゐる宮西方面に下りてみると、チャート製の細石核の残欠をみつけた。
さて、此の圃場農地にはゴトビキさまは生息して御座るのだらうかしらむ・・・
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花の色は移りにけりな去りにけり、そして夜にはゴトビキさまもWで御出現されまして・・・
石皿と磨石を擁する謎の土坑K15と、宮西遺跡でみつけた細石核の残欠