役行者(覚書き)

役行者?

文武天皇三年五月丁丑」
役君小角(えんのきみ しょうかく) 伊豆島ニ流サル。初メ小角葛城山(かつらぎさん)ニ住シ呪術ヲ以テ外ニ称サル。
従五位下韓国連廣足(からくにのむらじ ひろたり)初メ師ト為ス、後其ノ能ヲ害(そこな)ヒ、讒(ざん)スルニ妖惑ヲ以テス。故ニ遠処ニ配ス。
世ノ相伝ニ言ク。小角能ク鬼神ヲ役使シ、水ヲ汲ミ薪ヲ採セ、若シ命ヲ用ヒザレバ即チ呪ヲ以テ之ヲ縛ス。『続日本紀』より(原漢文)
         
孔雀王の咒法を修持し、異しき験力を得て、現に仙と作りて天に飛ぶ縁 第二十八」
役優婆塞(えんのうばそく)は、賀茂役公(かものえのきみ)、今の高賀茂朝臣(たかかものあそん)といふ者なり。大和国葛木上郡茅原(ちはら)村の人なり。
生(うまれながら)知り博学一なり。三宝を仰ぎ信(う)けて業とす。毎(つね)に庶(ねが)はくは、五色の雲に挂(かか)りて、沖虚の外に飛び、仙宮の賓と携り、億載(おくさい)の庭に遊び、蘂蓋(すいがい)の苑に臥伏(ふ)し、養性(ようじょう)の気を吸ひ、くらふことをねがふ。
所以(ゆえ)に晩年四十余歳を以て、更に巌窟に居り、葛を被、松を飲み、清水の泉を沐み、欲界の垢を濯ぎ、孔雀の咒法を修習し、奇異の験術を證し得たり。鬼神を駆使得ること自在なり。(以下略:後述)『日本現報善悪霊異記』より〈原漢文〉