こびとづかんのなぞ

吹き飛ばされさうになるほどの強風

四国より遙々、中央構造線に沿って東の岬の果てまで走り来たる朋友一家三名様の中心は、自らを「朱」と称する奇妙で元気で素直なコビト様であって、御両親様は日常茶飯事とて平気の平左のことなれども、我輩にとっては一応天敵に属するコビト様の御宿泊てうことで、それなりにある種の緊張感を以て対峙せるも、寧ろコビト様にいなされ慰められ、また手なづけられて、一瞬にして作戦を変更し、主に主菜副食品などを用ゐての懐柔作戦と相成りまして候。
また、中央構造線に沿って水銀朱の産地が点在することも、今回の来訪と何らかの関係性の有るや無しや??
(–_–;)
         
朝食と称して多羅腹まんま、朝飯のつもりが喰ひ終はる頃にはお昼近くとなり、昼食の終了と見紛ふほどの弛緩状態。話題も食ひ物のことから躾のこと、風俗習慣のことから博覧強記、韋編三絶の伝助侍。挙げ句の果てには何の話をしてゐるのか当人達もまったくわからんやうな有様になり果てぬ。
そんな現状を打破せむと、風強き中果敢にも、皆で揃っての岬巡り。
       
♪あなた〜がいつかー はなしーてくれた〜 みさきをーぼく〜はー たずねーてきた〜・・・(よく「岬」を「遺跡」に置き換へて歌っていましたっけ)
(–_–;)
      
岬めぐりのバスは今はまう走ってはいないのだけど、北西風に乗って押し寄せる灰色雲は真綿色の縁取りで目映く輝き、銀色の光の束を幾筋も幾筋も、波高き度合いの表面に刺し注ぎ、天の栄光を法雨の如く地上に降らせ給へり。
其の美しさ、筆舌に尽くし難し。
(-_-)
       
強風に凹むのではないかと思ってゐたコビト様、逆に益々絶好調で元気に走り回り、一安心。港のターミナルで妙な土産物などいろいろ物色後、椰子の実博物館を見学し、一路天然酵母のパンを石窯で焼いて売ってゐる「あるる」麺包店に立ち寄り、帰宅。
それにしても、「大キリ」だのトルコ産の乾燥無花果のたっぷり入ったパンだの玄米パンだの、こんなに美味しいパンばかり食べてゐて、普段の食生活に戻ることが出来ますでせうか。(果たして、おかあさんはロシアのパンを焼いたのか?!)
(ー∧ー)
         
夜は近頃覇拿里荘で流行中のトリ味噌鍋と、岬で入手した大アサリウチムラサキ)であって、はふはふし乍ら皆で突っつき喰ひ、コハク酸の旨みに舌鼓。勿論「麺は別腹」てう荘子様の教へを忠実に守り、最後は味噌煮込みうどんなど楽しむ。其ノ後、突如故有って、皆で超級市場に繰り出して、くだんのうどんだのいろいろあれこれ買ひ物などするもまたをかし。
美味しかったね!楽しかったね!
(^^)
          
 
 
  
大アサリこと、ウチムラサキ貝にて候。瀬戸内の人にとっては珍しい貝なのですね。
          

さんだる

さんだる

[rakuten:book:11820133:detail]