新月海月

哀しき街角

或る人類学博物館のオープンリサーチシンポジウム聴講のため、大名古屋へ。
そもそも「オープンリサーチシンポジウム」が全て横文字のため、何を意味してゐるのかはよくわからないのだが(公開調査討論?)、今回は資料代も不要とのことで、ちゃっかり其の恩恵にあやからうと思った次第。大部なる資料集で、有り難きこと。
内容の主題の原点は、今将に毎天展示物と格闘中の大貝塚。厳然たる学史に鎮座結構してゐる大名跡のため明瞭だが、主題の属性を各研究者の視点から縦横に深めて追求した結果、それぞれが惑星系の如く関連をもって小宇宙を形成しつつあるやうだ。微に入り細を穿つ研究の蓄積が、大いなる視点の揺籃になりうることは言ふまでもないが、かといってそれだけで解決できる問題でもない。
どの軌道面からこの太陽系に接近すべきかだうか、瞬時に判断することは難しいが、縁もゆかりもある分野のことでもあるので、今暫く情報を参考にさせていただき、我輩は我輩なりの精進を積まう。
耶蘇系の大学なので伴天連との遭遇を恐れておりましたが、幸ひ出会ふことはありませんでした。
(―_―)南無・・・
            
それにしてもJR、土日の往復切符が大変安くて助かりますが、特別快速の乗り心地も最高ですね。いつのまにかレールの繋ぎ目も殆ど無くなってしまったのか、恰も磁気浮上式の如き振動の無さ。iPodのボリュームも大きくする必要が無いしね。
でも、キヨスク(キオスクではなく、キヨスク登録商標なのですね)でペットボトルの烏龍茶を買って、列車の車窓に置いてみますと、何やらたちまちたいそう遠くに旅立つやうな風景になってしまふから不思議ですね、ちょっと古いが「いい日、旅立ち」のやうに。まあ、此の鄙の地から大名古屋に出るのも、小旅行規模であることは事実ですが。