考古文物攻略的

石器だらけ・・・

RER(火車)に乗って郊外へ。曇りがちで、朝夕かなり肌寒い。
サンジェルマン・アン・レーにある国立考古学博物館の見学。イル・ド・フランスを中心に旧石器時代から青銅器時代の遺物が無数展示されてゐる。旧石器は圧巻で、フランスの大地に無限に埋蔵されてゐるフリント製の巨大な石器(ハンドアックス)からブレードからスクレーパーからいろいろ、それこそ無限に展示されてゐて、旧石器マニアなら垂涎の博物館だらう。
前期旧石器にはじまって、ラスコーを代表とする洞窟遺跡で発見されるレリーフや、動物の骨に施された彫刻の精緻な感触は十数万年てう歳月を忘れさせるに充分だ。石器として残った文物以外にも、量的にはおそらくそれらを凌駕するほどの骨製の道具が存在したのだらうと思ふ。
それと、掌におさまる大きさの大地母神の彫像。瑪瑙だったり輝石だったり、材料は様々だが、中にはブランクーシの彫刻作品かと見紛ふばかりの高い抽象性をみせるものもある。黒曜石は少ないが、フレークやブレードが大きめで、中期旧石器に属するとのこと。あとは巨大な石槍の数々や、彫刻刀、掻器などなど。住居址と思はれる遺構の復元ジオラマもあるぞ。簡単な骨組の小屋掛けで、数人がはいるといっぱいになる大きさ。獣骨や石器の剥片が散乱してゐて、生活の痕跡としては生々しい状況だ。
この博物館の目玉は他にも有って、ガロ・ロマン期の青銅器を中心とする文物群は圧巻だし、ケルト時代の文物も豊富。更には大広間(博物館自体が城の中に有る)には世界各国から収集された考古文物が展示されてあり、サハラ砂漠や中近東の旧石器などはなかなか見る機会が無いので、珍しかった。アジアの展示ケースには日本のものもあって(なぜかラオスの隣に並んでゐたが、理由は尋ねなかった)、北の縄文土器や見たことも無い石器がいくつか展示されてゐた。どのやうな由来でここにもたらされたのだらうか?
この博物館を訪問するのは実はこれが2度目なのだが、17年前はちょうど大改装中だったために長く閉鎖されており、見学できなかったのだ。本日やうやうその念願を果たす事ができたワケでして・・・
               
 このお城が博物館
                    
それと、毎月第1日曜日はここは入場料がタダになるのであって、更によろしい。
ちなみにこのサンジェルマン・アン・レーはクロード・ドビュッシーの生まれ故郷で、簡単な展示が旅行案内所内にあった。自筆の楽譜がこれまた美しくて、恰も彼の音楽の如く・・・
(-_-)
                   
                      
本日今天のタダ制度が適応された博物館と美術館(いずれもフランス語ではミュゼだね)はパリ市内にもいくつかあって、欲を掻ひて午後からはメトロでポンピドゥ・センターにまででかけ、所謂印象派を含まない現代美術を無限に巡り、大いに疲労したりけるもまた、罰当たりの定めなりけり。
         
     
                   
 

         
今後の予定を少し、今週末からは田舎の森へ1週間程でかけるので、当然日記の更新やメールチェックなど叶はず。9月15日を目途に、パリ経由でシェルブールに出て、アイルランド行きのフェリーに乗る予定。今回敢へて、入国の煩はしき大英国を避け、直行ルートを選んだのだが、ダブリンを経由しないのでどのやうなるーとになるのかは不明、ぢゃーなくって未定。
兎に角、9月中に主要な遺跡訪問を果たせたら、10月上旬頃には再びみたびパリに舞ひ戻り、中旬から下旬までには香港を経由して極東の偉大な日本列島に帰国の御予定にて候。