OPERA

精神の蘇生を促す風景

ブラウザの話ではない。
NHK教育「劇場への招待」で、市川團十郎一門によるパリ・オペラ座での歌舞伎公演を見る。
会場のオペラ座バスティーユの其れ ( OPERA BASTILLE ) ではなく、古き良き時代のオペラ座、即ち PALAIS GARNIER (パレ・ガルニエ)のこと。マルク・シャガールの天井画は見へなかったが、嘗て我輩も何度か潜入した天井桟敷はちらりと映った。ちょっと懐かしいな・・・
演目は勧進帳と、口上を挟んで紅葉狩。荒事の典型を仏蘭西人達に見せつけやうとするこの試み、彼の地での評判は知らねども、時代錯誤で新旧混交する日本的文化状況の欠片を知らしめるてう意味ではよかったのではないだらうか。(さういふ意味では「鳴神」でもよかった?)
團十郎の独特に口籠る滑舌の悪さは海老蔵以前からのもので、今更どーせいこーせい言ふものではないが、團十郎襲名披露の時に見た助六の時にも、つくづく惜しいなぁと思ったものだが、そのもどかしさを息子達が解消しやうとしてゐることは、喜ばしい。
今回とりわけ面白かったのは口上。全員が仏蘭西語での口上を披露し、会場を大いに沸かせたのだ。團十郎も歌舞伎風に流暢で見事だったが、一番受けたのが亀治郎。「オペラ座の怪人」のクライマックスである大シャンデリアの落下シーンを引ゐて、「我が公演中にシャンデリアが落ちて来ないかと心配で候」などと洒落たものだから、仏蘭西人民も歌舞伎役者の柔軟性を大いに喜び喝采しておった。猶、会場内にシラク氏が居ったかだうかは不明だが、少なくともサルコジ氏は居なかっただらう。
(−_−)
      
せっかく自宅に帰って来ても、全ての時間を自在に使へるワケではない。今天朝方は快晴なれど、無限に伸びた草引き始めたが最後、忽ち昼となる。午後は午後で「人骨的打ち合わせ」 et 見学視察。更には意見陳述や小規模踏査などで「あっ」と言ふ間に黄昏時を迎へ、慌てて超市で食品を過剰に購入。購買時の鉄則である「第一に空腹時の買ひ物は避けるべし」てう基本原則さへ守る余裕も無く、あれも喰ひたいコレも喰ひたいと気の向くママ食欲の趣くままママ、けっかうの量を買ひ込んでしまった。(−_−)お口は一つなのですが・・・
とりわけ注意すべきは鯵の干物であり、招待所での日頃の鬱憤を晴らすべく、つひつひ4枚入りを買ってしまったので、せっせと焼いて大いに喰ふべし。
それにしても雑草の生ひ茂りたりける我が庭の、柿の木の若葉目映し、どくだみの若芽には未だ紫色の芽吹きの気配が残り、菖蒲は今が盛りに、蓬は逞しく屹立。
明天は雨来る気配濃厚であり、さて、何処まで草引き出来ますやら・・・
(−_−)