貧魂

春の夜の一場面

招待所の周辺は、町工場やアパルトマン、所謂高層マンションや貸し倉庫などが無秩序に入り混じる雑駁な市街地だが、なぜかところどころにかなりの豪邸も有る。
なかでもとりわけ豪壮なる物件を、改めて観察してみたが、第一の特徴は車庫にゐ並ぶ自家用車?の数々だ。先づ目に付くのは独逸国産ベンツ(グレー)で、見るだに高さうな風体。車については詳しくないのでよーわからんが、ベンツの中でも一番高価な車種と見た。その横には黒のレクサスが並んでおり、ちょっと奥にはコルベットみたいなスポーツカーと、ちょっと申し訳無ささうにプリウスが置いてあって、驚くばかり。庭はさほど広くないが、二階建てで部屋がいくつもあるやうなので、恐らく大家族か三世代で居住してゐるのだらう。
例へば、10人で住んでゐるとしても車4台は多い方だらうし、そもそも今時そんな大家族はなかなか想定し難ひから6人くらいかなと想像しても、とっても多い方だらう。金持ちであることは車の台数や家の造りなどから推察できるのだが、「あーぁ」と思ふのが、象徴物としてのベンツ様の存在だ。
(−_−)
素朴な疑問は本質を炙り出す。
人間様は何故、金持ちになると判で押したやうにベンツだの何だの、所謂欧州高級車に乗りたがるのかな。さうしなければならないと思ってゐるのだらうかしらむと思ふほど、そのパターンは普遍的であり、「貧しい」発想を感じさせるものだ。
確かにベンツ車は高価なのだから、購買者の多くは中流階級以上の人々が殆どだらう。社会的に責任ある職種のヒトも多いだらうから、交通往来における身の安全を確保するため、てうこじつけも通用するかもしれない。しかし、我輩にとっては「金持ち=ベンツ車」てう如何にも安易な連想式が吐き気を催すほど不快だし、何より哀れでならない。医者の多くが此の種の車に乗って路上をふよふよと走行してゐることも、本件の象徴的光景として憐憫の情を禁じ得ない。
ひょっとして、世間様の人々様は、「金持ちになったらベンツ車に乗らなければならない」などと、疑ふことなく信じきってゐるのだらうか? 如果もしさうであるとすれば、それはそれで恐るべき発想の貧困さだし、まさにミゼレーレ。耶蘇伴天連超級の、驚くべき貧困さの大象徴だ。
まぁ、こんなことは早い話がどーでもよいことなのだが、いちど当の本人達様に尋ねてみたいことでもあるワケで・・・
「御前様は何故にベンツ車などに乗っておられるので御座ゐますか?」
(−_−)
           

チョロQ Mercedes-Benzレーシング

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チョロQ メルセデスベンツチョロQ E-CLASS WAGON 5台セット

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今天は北風強く、ちょっと寒う御座ゐましたね。今宵新月、春土用の入り。