或る「気」の問題

都会の黄昏

肘の或る症状が気になって、整形外科へ。
土曜の午前中てうに(ダカラ?)、待合室にヒト溢れ、驚くばかり。初診者用の質問用紙にあれこれ記入し、ひたすら順番を待つ。待合ひの長椅子も満員御礼の為、受付の看護婦に「だいたいどれくらいかかります、順番が来るまで。近いからあとで来てもいいんですが・・・」と告訴すると、「さうですね、レントゲンだけ先に撮ることになりますから、此処で待って頂く事になりますが・・・」とぞ。致し方無くぼんやり立ち尽くし、TV画面等見るでなく、患者様達を眺めるでなく。
半時間ほど経ってやうやうレントゲンの呼び出し御座ゐまして、下腹部に重い鉛の前掛け装着して数カット撮影。更に一刻ほど待って再び呼び出され、婦長による簡易な問診と血圧、握力測定。質問用紙に「テニス肘ではないか・・」などと勝手に記入したことを厳しく指摘され、「これはどこかお医者さんで診断した結果?」「いいえ、自分で症状見て書いたものです」「さうですか、患者さんの自己診断は間違ってると大変だから、先生に診て貰はないとね〜」「さうですね、てへっ」
更に待つ事半時間以上、やうやう偉人の番が巡って来て診察室へ。見たところ三十代後半の茶髪系の若い医者、チョビヒゲで端の尖った妙な眼鏡をかけてゐる。「さて、だうしましたか? テニス肘? 何時からですか? どんな痛み? 何処らへん? 正確に。ちょっとかうしてみて。さう。痛みますか? さう、ぢゃーちょっとコレ持ってみて。何処が突っ張る感じ? さう。ぢゃーこんなふうにすると・・・さう、痛くない。うーん、ところでお仕事は? 何?工作員?? さう、それで具体的には?やはり自分でも酷使したってう感じは有ります? さう、さうねー、やっぱり上腕骨外上顆炎だらうねー、いわゆるテニス肘。でもこれ、酷使してもなるヒトとならないヒトが居るしねー、殆どは原因不明なんですよ実は。おたくの場合は使ひ過ぎの自覚があるみたいだから原因わかったケースとして考へておきますけどね、治療法は一般的に湿布か外用塗布薬を根気よく、勿論酷使は控ゑて貰はなきゃ−いけませんよ。それでもだうしても痛みが酷い場合は、局所麻酔剤入りのステロイド注射打つ場合もあります。どーします?」
って、こっちで選んで良いみたいだから、内服鎮痛剤(ロルカム錠4mg)とチック状塗布薬(スミルスチック3%)処方して貰ひましたとさ。診察時間は10分弱。点数は初診273+投薬70+処置41+画像診断482=866点×0.3=2600円也。更に、形式的な医薬分業の御陰様の隣接した薬局で、調剤技術料89+薬学管理料44+薬剤料98=231点×0.3=690円也。
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病院で喪失した元気を回復せむと、「若冲と江戸絵画(プライスコレクション)」展へ。作品の大半が硝子ケースに入れられていない為、展示台の框に手を突き乍ら至近でぢっくり細部を鑑賞できたし、土曜の午後にしては少なめな観客の御陰様で可成り有効に江戸の気風を吸収出来、大変宜しう御座ゐましたこと。
それにしてもこれが全部、或る個人のコレクションなのですね・・・
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若冲画譜 (近代図案コレクション)