世界の雨音
暖冬にも程が有るはずだと勝手に思ってゐたが、無いらしい。
今天の雨は久々に雨らしい雨だが、既に春先は木の芽起こしの様相に近し。ほぼ終日、招待所に籠り書籍世界に没頭没入。夜半に至り、雨量増す。
この調子だと備忘録ばかり増ゑて、肝心の理解は何処へ?
そもそも備忘録とは何か。転ばぬ先の杖? 忘却を前提とした備へ? 非常用の貯蓄? 緊急用の預金? 忘れてしまった自分は、忘れる前の自分や此の本を知る以前の自分と同じ存在なのかだうか?
そしてまた、あなたと知り合ふ前の自分は、あなたのことを忘れてしまった自分と同じ自分なのだらうかしらむ・・・・
Cogito, ergo sum ? ou bum ?
雨は何時までも止まず、更にそぼ降る。風無く、驟雨の様相。川面に映った街路灯の光も、小刻みの漣で鈍く滲む。
こんな日の丑三つ時には、奇妙な Site との遭遇があるものだ。