つつましく

この程度の街路樹なら・・・

年々目を覆ひたくなる電飾熱。電飾合戦?
といっても電線の発熱発火ではなく、主として一軒家の外周に施される電球装飾のこと。この時期、耶蘇の聖誕主題を中心にしてさまざまな電飾が売り出されてゐるが、そんな極めてホームセンター的な安っぽい電飾をこれでもかっ、と使ひたくった家が方々に出現してゐるのだ。
最近見かけた最悪の例は、新築相成った二階建ての一軒家で、屋根も含めて家の輪郭を浮き上がらせるがかりならず、玄関の上と言はず屋根の上と言はずやたらと聖誕老人人形が括り付けられ、TVアンテナの根元から庭の植え込みに向かって電球線が何本も垂らされてゐた。更には、恐らく日本風の庭園であろうがトナカイの形をした針金細工の電飾オブジェが何体も置かれ、よく見えないが植え込みの中にはコビトの人形電飾まで何体も仕掛けられてゐる様子。恐らく電飾箱やインテリア雑誌なんかに特集紹介された例を盛大に参考にして作り上げたのだらうね。
いくらLED電球とはいへ、毎晩相当な電気を使用してゐるものと思はれるが、そこには風流の欠片も無く、恐ろしいまでの品の無さが漂ふばかり。此の辺りは相当の田舎であるだけに夜はどこまでも暗く、嫌が上でも電飾住宅は目立つ。聞けば新興住宅地で通りの家々が競ひ挙って電飾競争をしてゐる町があるさうだが、想像するだに恐ろしい風景だらうね。
ご近所に一軒、窓辺に30cmくらいののオルゴールツリーが置かれた家があるが、夜になると実に可愛いらしいささやかな電飾が点滅してゐた。
こんな情景は、そこはかとなく愛ほしい。。。