見る、観る、視る

長谷院多宝塔にて候

節分時節。
東博で開催中の特別展「書の至宝4 ー日本と中国ー」、その内容の豊富さに驚きたりけるよ。
どーしても見たいのことの筆頭が、所謂「秋萩帖」*1なのだ。此の他にも白眉三絶目白押し、「法華経」(久能寺経)厳王品・方便品、「風信帖」などの我が邦の至宝に加へ、大陸からは戦国期石鼓文(先鋒本)(漱石自らデザインした作品全集の装丁にも使われた拓本)、北宋は蘇軾に因る行書李白仙詩巻や、王羲之の「双鈎填墨」*2の名品群などなど、出品目録を眺めてゐるだけで脳味噌が海綿体ならぬ朦朧体となって来るやうな内容。
19日の会期終了までに何としても現場工作を放擲し、人知れず逐電し、ゆっくりと東博で書の至宝を鑑賞したいものだが、駄目だらうな・・・・・
(T_T)
ところで金曜ですが歯医者へ行かなくてもいいの? もはや半ば習慣化しております、ハイ・・・


蘇軾(蘇東坡) 新装版 漢詩選 (11) (漢詩選) 臨書を楽しむ〈4〉王羲之 蘭亭叙 書の宇宙〈6〉書の古法アルカイック・王羲之

*1:国宝、平安時代、色の違ふ21枚の紙を貼り合はせたもので、「あきはぎの・・・」てう和歌で始まることから此の名がある。平仮名が完成する過渡期のかな文字で書かれ、全長8mにも及ぶ

*2:複製技法の一、原跡の上を透き通った紙で覆ひ、文字の輪郭を写し取り、更にその輪郭の中を、原跡の滲みや掠れ、虫喰ひに至るまで細大漏らさず模倣し墨で填めてゆく手法