Abduction

チョコレート工場?

朝な夕なに小雪舞ふ、寒い寒い冬景色。
エスキモー人の如き怪しげな風貌で、自行車を駆って張りつめた朝の空気の中へ。役場の前の橋(妙に凝ったデザインで、歩道の中程に2カ所もオブジェが設置されてゐる。その御陰様で自行車での走行には可成り気を使ふし、歩道は全面タイル張りなので先日来の積雪時には大いに凍結し、滑り易く極めて危険な橋)に差しかかった時、向かうから我輩と似て非なる、非て似なる風貌の怪しき自行車乗りがやってきた。すれ違ひざまに一瞥すると、色合ひこそ我輩と違へども、ダウンの防寒着から帽子から靴から自行車(マウンテンバイク)に至るまでのほぼ全てが「非て似なる」有り様。
遂に宇宙人によるアブダクションによって誕生した我がクローンとの遭遇かと一瞬構へたものの、相手(30前後の鉄面皮な男性)が我輩との遭遇を気にとめる様子もなく、僅か数秒のコンタクトは終了。妙に気になる朝の一瞬であった。(果たして記憶に残るかしらむ?)
(-_-)?
今宵は歯医者の日。朋友諸氏より、「いつも月曜日ですね」、と云はれたことが気になって前回、いつもの物憂げな受付嬢に「いつも月曜ですね」と一言申したとたん、「じゃ、火曜日にしておきます」と決められてしまったワケだ。この話のミソは、お嬢の云ひやうが「しておきますか?」てうお訊ね形ではなくて「しておきます」てう独断形だったところだ。何故にお客様=患者様の要望を聞かない?などてう野暮なことはさておき、今回は2度目の4番席入り。一般に当医院ではこの4番席、郷土の偉人や常連さん、治療難易度の高い患者、または暴れたり悪態を突ひたりする厄介な患者専用になっておりますてうことが、何となく解ってきたのだ。
ちくちく削ったり、「ハイ、カチカチカチカチ、ギシギシギシギシ」で噛み合はせ再々確認したり、根治で抗生物質薬詰めてくれたは良いがちょこっと薬がこぼれて形容し難ひ気持ち悪い味がしたり、デンタル、即ちピンポイントレントゲンかけてみたりと相変はらず気忙しい。何せ入れ替はり立ち替はり、我輩の断続的な治療のまにまに、1番から3番までのお客様が2回転するほどの大繁盛。いったい一夜でどれほどの稼ぎをなさるのかは知らねども、あれやこれやの1640円也。
(-_-)治療は続くよ何処までも・・・

アブダクション―宇宙に連れ去られた13人

アブダクション―宇宙に連れ去られた13人