去りゆく者は皆…

このバスにも「さらば!」

さらば青春の光」を観たのが大学生の頃。
1979年の作品だから、新作として観たのだ。作品の舞台は1965年の倫敦。連日ロッカーズとの対立抗争や、ドラッグやダンスに明け暮れるモッズたちの物語り。退廃的で厭世的、刹那の快楽に溺れ絶望的な毎日を送ってゐる主人公のジミー(フィル・ダニエル)が、演技とは思われないほどの迫力で空虚な時間を生きる姿を見せてくれる。単なる青春映画、ではなかったな。
原題は"QUADROPHENIA"、THE WHO のアルバム「四重人格」をそのまま採用し、アルバムの歌詞の内容に沿って物語は進行する。映画に登場するベスパのスクーターやモッズたちのファッション、倫敦の街角やブライトンの街並みなどなど、見るもの全てが新鮮で衝撃的な映画だった。それと更にこの映画を印象的にしてゐたのが、モッズのリーダー役で出演してゐたスティングの存在。勿論当時は THE POLICE で活躍中だったのだが、触ると切れるやうな冷徹な雰囲気で黒く光ってゐた。恐らく劇場で3回ほど観たと記憶してゐるが、そんな作品が今頃DVDとして目前に出現し、急ぎ去るべき状況をも消去してしまい、思はず手にとってしまった。何がだうしたのかわからないが、価格が980円だったこともあってそのままレジへ直行。(半額シールは貼らず!?) 昨日今日の記憶は曖昧にも拘はらず、四半世紀前の記憶は返って鮮明に蘇らせたりいたしまして、この週末の糧といたしまして候。
(-_-)
それにしてもお寒う御座ゐますこと。今夜から大雪の気配にて候。

四重人格 さらば青春の光 [DVD]

ちなみに「さらば」を冠する諸作品、その筆頭は「さらば、わが愛覇王別姫」、次点は「さらば、宇宙戦艦ヤマト」、以下は「さらば美しき人」「さらばラバウル」「さらば冬のカモメ」「さらば夏の光」 e.t.c.
でもよく考へてみれば、"QUADROPHENIA / A WAY OF LIFE"のどこが青春の光やねん?
おまけ(YMO系)

サラヴァ!

サラヴァ!