火星が出てゐる

アワビ猶以て真珠の輝き

日曜らしく?、自由に、しかし慌ただしく過ごす。
時々TVの前に座ってみたり、いつものやうに音消してCD大音量でかけてみたり、掃除するふりをして荷物纏めてみたり、庭の掃除する仕草見せてみたり、ゴミ集めてみたり服入れ替へてみたり、食材の残りを点検してみたり、昨天の続きで乳香を焚いてみたり板チョコ喰ってみたり・・・
夜は夜で、日曜独特の濃厚な内容。NHK教育「あの人に会ひたい」では、金子光晴。このエロじじさまが、あの「どくろ杯」の体現者なのだ。あの「ねむれ巴里」の創造主なのだ。老獪さを装った、狡猾で鋭い視線。これがあの、生臭爺かと思へば、何やら不思議な感動すら覚ゆ。
N響アワーの「幻想交響曲」はさておき、次は歌舞伎にて候へば、名作「恋飛脚大和往来」封印切の場。何とも華の無い舞台で、それはひとゑに亀屋忠兵衛を演じる市川染五郎の芸の薄っぺらさに由来するものか、はたまた傾城梅川役の片岡孝太郎の地味さから来るものか。憎まれ役の丹波屋八右衛門こと片岡仁左右衛門ばかりは洒脱さと貫禄を自在に使ひ分け、何とか染五郎の大穴を埋めやうと懸命の演技をしなはった様子、ありありとわかりをした。そんなこんなは観客もお見通しで、佳境である封印切りの大見得の場面でも拍手はまばらで御座候。でもこの狂言は好きで御座ゐますよ。
この際、中華的駄作超級大作電影の「某・LOVERS」もさておき、夜中のアンコール番組で見る「フジコ」の生き様。味わひ深く、異端者であり流竄者であるフジコの醸し出す独特の雰囲気は、実に魅力的だ。演奏の好き嫌いはさておき、世のピアノ弾きは何故に彼女の演奏がこれほど多くの人々を惹き付け、魅了し、それぞれの人生にまで深く入り込んで来るのかてうことを考へてみる必要が有る。
それにしてもフリスクのCM、どれも1回見ただけで飽きてしまう。それに対しホットペッパーだっけか、外国映画のワンシーンに妙なアフレコ付けるヤツ、とりわけ今度の「まだ伴奏」篇、何度見ても大笑いで大好きです。

へぇ〜、THE FOG がリメイクされたんだ。オリジナルは1979年の作品とのことなので、25年も経ってしまったワケだ。安っぽい作りのホラーだったけど、何故か雰囲気が好きで2回も観に行ったことを記憶。
観ると言へば、秋深し天皇も観る天皇賞哉・・・
(- + -)

ザ・フォッグ《デジタルニューマスター版》 [DVD] どくろ杯 (中公文庫)

ところであなたは何故、火星の赤き光を浴びやうとしないのか?