脳細胞は覚醒してゐるか?

目にもさやけし

爽やかに晴れて、青空も高い。内湾の風景も、遠い島影も含め全てが明瞭な輪郭を持つ。
庭の睡蓮も、名残の一花と思ひきや、白露てうに未だに週に1輪は咲く。今朝の開花は、青空を映してことさら美しい。
(-_-)さやけし
以下、備忘録。造形作家であり、芸術人類学者である友人との対話。

  • テクネー et エピステーメーへの言及について:前作序説で途切れた内容の続きであること。但し、それらは二項関係ではなく、立体的であるてうこと。
  • 変性意識下に於いて変性意識について語ることが出来ないやうに、発現後既に不可逆なベクトル:変性意識にも水準があり、ベンヤミンの場合はハッシシを用ひた陶酔体験のなかで見へ方を記述したもの。即ちかなり中間的で半端だが、言語化してゐることに意味が有る。
  • 覚醒または頓悟り:肯定
  • この非対称性の認知に対する解決法としては、二重螺旋構造と理解する方法が有る。変性意識下てう状況では、単純螺旋でもよいのではないか:しかし二重螺旋そのものが既に日常意識から立体的意識に入らなければ認知されないものなので、軽度の変性を伴うものである。
  • 静止→循環に至るきっかけ(力)を与へた者は誰か。神か?:それを神てう指示語で命名する者もゐる。しかし命名した瞬間に既知の概念と化してしまうことを、勿体ないと感じる。やはり先天的な、原因水準にある世界の非対称性としか言へないのではないか。
  • 神話記録こそ、遁走する螺旋構造ではないか:ただし記録されたものは神話構造や思考構造に回収されがちのやうに感じられる。遁走は構造水準ではなく、矢張り原因水準にあるてうのが今回の論旨であった。
  • ロレンスの認識はとても甘い。体験が欠けてゐるのではなく、認知力が欠けてゐるのだ:西欧人が気付くのにはだうしても限界が有るやうだ。引用した人々の認識は確かに半端である。しかしその半端さを梯にしないと理解できない人々も多いので、そんな効果を狙ひ彼らを引用した。
  • 西欧人または西欧文明の本質であるとすれば、しかたないことだ:確かに。しかし我々は西欧人ではないので仕方無い。筆者は西欧批判の為に書いてゐるのではなく、日本語で日本人に向けて書いたものである。
  • ブッシュマンの神話はリーマン幾何学宇宙そのものだ。放たれた矢は、その矢を放ったものに当たるのだ:筆者の理解を越ゑた解釈であり、意味不明。ここでは矢は次元を越ゑてコンタクトするツールのひとつとして書いた。天に唾吐く過ちから出る為の魔術である。
  • 言語学者の示したことは、翻訳の不可能性ではなく、認知の不可能性ではないのか:ソシュールは確かにそこまで行った。今回はそこまでの深追ひはやめて異文化研究で問題となる文化形態がレトリック形態に焦点が当たりやすい傾向に絞り、レトリック翻訳の問題として書いた。
  • ルソーの言ふあわれみとは、憐憫なのか哀れみなのか?耶蘇的慈愛と勘違ひしていないのか?:耶蘇的てうより寧ろ、性善説に近い起源論に感じられた。倫理の起源であり、或いは倫理としての愛以前にあるものとしての無力感である。それがニヒリズムに向かはないままでいられるのはどうするかてう問題である。
  • 非対称性、不均衡に由来する力、機動力、起因力、自己防衛本能としての非対称:不均衡を生み出すのは非対称性願望であるてうのが私の論旨だ。自己防衛本能を満たすのは非対称性を捏造したい願望の中で、不都合なものを疎外する局所的非対称だと考へてゐる。
  • 啓示のうそっぽさ:確かに。但しウソのなかにも必ず真実は有るので、私が注目したいのはウソの中にある当人にさへ無自覚な真実についてである。
  • 解告の必要性、但し主題は宇宙構造について:これも理解を超越してゐる。一応、人間に内在化されたそれが人間中心主義のぬるま湯を越ゑた働きであるてうことだけは示唆したが、不十分であったかどうか?
  • 「星座化したウロボロス」を入れていただきたかったこと:その心は?
  • 次回は一切の引用(陰陽?)無しで論述されることを望む:さう希望する。その為には私自身の視点をモダニズムに置く必要が出てくるので、モダニズムは知識人や欧米人に語って貰う方が楽なのであったが、方法を変へれば妥協しないまま書く手だては有るものと思はれる。

ちなみに対話の主題は彼の論文「贈与論 - テクネー、もしくは非対称性思考についての芸術人類学的考察 - 」 The Theory of Gift - The Art-anthropology for Techne and the Dis-symmetrical Sensitivity -
今回は以上、但しどこまでもつづく・・・
(-_-)南無

<参考文献?>
イデアとエピステーメー―プラトン哲学の発展史的研究
επιστημηのオブジェクト指向的日常―C++,Java,STL…オブジェクト指向をめぐるお話あれこれ (DeV Selectionシリーズ)