循環輪廻

体長3cmほど

南東海上遙か彼方から灰色雲が無限に押し寄せ、全ての物を吹き飛ばし、運び去らうとしてゐる。
数時間の睡眠にも拘はらず、朝早くに目覚めてしまう。矢張り、南方からやってくる「何か」の気配を、我が遺伝子が感知したからなのだらうか。雨こそ降っていないものの、うねるやうな風が不規則に吹き付ける庭で、まさかこんなイトトンボと遭遇しやうとは。それはそれはか細く繊細で、今にも吹き飛びさうに揺れ乍ら、甕に植ゑたガマの葉にしがみついてゐる。撮影は無理かな、と思ったが、左手で揺れ動く葉を押さへながら、なんとかその姿をカメラに収めた。
この庭でイトトンボを見かけたのは、これで2回目。前回は既に5年も前のことだし、イトトンボの多くが絶滅危惧種ではないかと思ふので、これは貴重な吉兆と理解すべきだらうね。
実は庭にいくつもコンテナを置き、大なるもの2箱と海鼠火鉢ではメダカと金魚を飼ってゐるのだが、メダカのほうは毎年勝手に湧ひてくる。火鉢のメダカが姿を消してしまったのが一昨年のこと。入れてある睡蓮やホテイアオイなどに変化は無いので原因が不明であったが、清掃がてら水を汲み出してみると、何匹もヤゴが棲息してゐることを発見。彼らは可成り貪欲な肉食性だから、道理でメダカが居なくなるワケだ。
今回も、貝塚から採ってきた土を入れただけのコンテナを1箱、庭に放置してゐるのだが、夏の間中どんどんボウフラが湧き、その数恐ろしいほど。次第に赤虫やミジンコ、そして遂にたった数日間であったが、ホウネンエビと思はれる生物が水中に溢れ、儚く姿を消してしまった。一見すると半透明で、少しアヲコが広がったやうな汚い水中世界にも、それなりの栄枯盛衰と淘汰の循環が形成されてゐるのだね。1日置きに水ごと掬っては、メダカや金魚のエサとして与へてゐるが、水中の皆様には大好評である。今朝はそんな半濁した水中にも、何匹もヤゴが棲息してゐることを発見したのであったが、ホウネンエビ絶滅の理由は彼らかしらむ・・・
(-_-)?
水溢れ、風狂ひ、九州大変。こんなに離れたところを行く颱風なのに、当地も夕方から風狂ひ、ひうひうと電線鳴ひてばうばうと、山靡く。勿論、家も靡く。こんな日の海辺のカフカ、渚の有り様は推して知るべし。

トンボ玉

ところで気象情報の警報と共にまたぞろ繰り返される「過去数年間で・・・」表現問題、我輩の怒りは既に昨年10/20の日記でも言及してゐるが*1、こちらの方も矢張り同じ頃に怒っておられますです、ハイ。
http://www.mercury.ne.jp/icehockey/nikki-2004-10-24.htm
(-_-)どやさ?