怒濤

泡立つ素粒子たち

嵐に乗じ、最大音量でCDをかけ続ける。
南寄りの強風が、ほぼ丸1日かけて北寄りにシフトして行ったが、雨は小雨に終始して、颱風らしさは半減。勿論早朝から気分の高揚は有って、たった2時間の睡眠で目覚めてしまったワケだが、南方からやってくる得体の知れぬ潮流に、都合1万年近く影響を受け続けてきた列島の住人の遺伝子には、南方系の精神文明受容体が発現してゐるに相違無い。

Dream of the Blue Turtles → HEAVY WEATHER → ラバー・ソウル

TECHNODON → サタデー・ナイト・フィーバー/オリジナル・サウンドトラック → メシアン : トゥーランガリーラ交響曲

夕方、高速霧雨の中、自転車で海へ。生暖かい強風が北方から吹き付け、恐らく10m近い浪の波頭を砕き、南方に吹き飛ばす。
渦巻く怒濤。灰色雲が無限に押し寄せて、沈みかけた夕陽の、濁った橙色が西方浄土より放たれ、泡立つ海面や波打ち際に照射される。越前岬や柏崎で見た、冬の日本海の風景がふと脳裏に浮かぶ。

ツィガーヌ