岬情話

岬巡り

夜明け前、ただならぬ気配で目覚めると、開け放った北の廊下の片隅にのたうち回るアヲダイシャウを発見。よく見れば頭のすぐ近く、首なのか胴体なのか腹なのか何処なのか、5センチ近くに肥大してゐる。察するに、普段からこの朽ち果てた北の廊下には、へっぽこネズミがしきりに出入りしてゐるのだが、ヘビがそのうちの1匹を捕食したらしい。我輩にとってこのへっぽこネズミの増殖と出入りと跋扈は長年の悩みの種であったから、この食物連鎖的捕食は喜ぶべき事件ではあるものの、何せ相手はアヲダイシャウ、御食事後は速やかなる退出を望みたいものである。用心の為、午前9時頃覗き込んで見ると、既にヘビ様のお姿は無かった。
(-_-;)南無三宝
何となく雲多く、湿度高くあれど、洗濯物は数時間を待たずに乾く。近くの大寺からは、本堂の巨大木魚の音とかすかに読経。誠にお盆らしき風情漂ひ、冷ゑた西瓜でも・・・残念ながら今天は無い。
(-_-)残念
お盆で帰省した友人数人から、見慣れぬアカウントでメールが届く。或る者は妹の電脳で、又或る者はネットカフェからの送信。電子的夏の風情?

All the Best
久しぶりにポール・マッカートニーのベスト盤など引っ張り出してきて、聴いてみた。稀代のメロディーメーカーであるポールの曲は、どれも暖かさに満ちてゐて、思はず額の汗も忘れ、和む。とりわけ最後のナンバーである「夢の旅人」こと MULL OF KINTYRE 、スコットランドの西海岸、ポールが個人的に所有してゐる岬の名前であり、そんな地の果ての、私有地の境界に立てられた「PRIVATE」の看板の風に靡く様子が思ひ出される。国民総変人国の影響下にあった我輩は、好奇心の赴くままにわざわざ見に行ったのだった。
(-_-;)変?

MULL OF KINTYRE

キンタイア岬

海から押し寄せる 霧に包まれたキンタイア岬よ
僕の心の常なる故郷 キンタイア岬よ
世界中を旅しては さまざまなものを見てきたよ
黒々と聳へる山々や 緑の渓谷に
果てしない砂漠を染める炎のやうな夕陽
でも心はいつも帰つて行く
故郷のキンタイア岬に
ヒースの生ひ茂る 深い谷間に立つと
懐かしき幼き日々が思ひ出される
天使のやうに歌を歌ったあの夜を
忘れ難き キンタイア岬での日々よ
太陽を浴びて笑ったことや 雨に打たれて泣いたこと
どの思ひ出も鮮やかに蘇へる
残り火は徐々に燃へ上がり
キンタイア岬での日々に 僕を連れ戻してくれる