故障現象と唯物論的屁理屈

ベルガモット咲く

万有引力の法則と、万物流転、万世一系、万古流芳、万象更新の摂理に従って、車がしばしば故障する。走行中に止まってしまう怪奇現象は、ブースターケーブルの断線が原因であったが、時計の液晶が消へ、ぶむぶむ吹かしてもへなへなと速度が落ちて行ったり、満タンに燃料を入れても警告ランプが消へなかったり・・・
先月は遠目にしたヘッドライトが復帰せずに困ったが、翌日には戻ってゐた。今回の予兆も既に数年前から有ったワケで、運転席側のパワーウィンドーの開閉がぎこちない。単にスヰッチ部分の接触の問題であらうとタカを括ってゐたのだが、昨天走行開始直後、入り込んでゐた蠅や蚊虫を追ひ出さむと、慌てて窓を開け、走行し乍らタオルを使ってバシバシと方々を叩きまくってゐたのだが、さう言へば開き切る直前に「ガキゴキッ」てう異様な音がしたな。目的地に到着し、いざ窓を閉めやうと操作いたせども動かず。モーターは回ってゐるから、ギアとの噛み合はせが外れたかななどと分析。されど深夜にて修理も叶はず、致し方無く貴重品は全て持ち出し、意味無くロックして駐車。所用済ませる間も多少気に懸かりせば、さりとて如何ともせず。幸い雨こそ無けれども、飛び来る羽虫を潜り抜けて窓全開で帰宅せり。
明けて今天は梅雨の晴れ間、軒先の日陰に避難させた車のドアを独力分解。基本的なファンクションや可動部分の構造は把握できたものの、肝心のギア部分は鉄板の裏側に有り、手も届かない。結局修理屋に任せる他はあるまいと判断し、分解部品の仮止めをしたのだが、気になるネジが1個余る。素人が機械類の分解と再組み立てを行ふ場合、機能してゐたネジの1個や2個が余ることなどは宇宙の摂理であり、物理学の法則に則り、かつ形而下の現象なのである。整備工場のお兄ちゃんの活躍に、期待しやう。
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ところでライス女史、何しに来たさー?

形而上学の根本諸概念―世界‐有限性‐孤独 (ハイデッガー全集) 形而上学入門 (平凡社ライブラリー)