風流?

孤独な風車よ

方々で風車が流行ってゐるらしい。近所の小さなダムの脇にも、最近になって中型の風車が1基建った。「偉人の近所にはダムが有るのか?」と思ふ人も多からうが、さういふことはいらんことである。
風車とい云っても阿蘭陀あたりのものとは違ひ、発電用の無機質無骨な輩だ。隣町の臨海工業地帯周辺にも、昨年あたりから次々に風車が建ち始め、今では10基以上が居並んでゐる。近所に風車が出来たからと云って、直ちに電気代が安くなるワケではなからうが、確かにこのやうな巨大なプロペラがぶむぶむと高速回転してゐては、渡り鳥の障害になるのではないかだの、回転音が五月蠅いのではないかだの、下から見上げてゐるといろいろ心配事は有るな。それに、30m近い高さに有る回転部分のメンテはだうするのだらうとか、そもそも年中潮風に吹かれてゐて風車自体の耐用年数はどれくらい有るのだらうとか、地震で倒壊しないだらうかしらむとか、メリット以上に心配が先立つことも確かなこと。
時々通る街道沿いの民家が、庭の隅に小さな風車を立ててゐるのを見かけたことが有る。鯉のぼりの竿を二周りくらい太くしたやうな金属ポールは、高さが10mほどあるだらうか。高所作業車を呼んでプロペラの取り付けをしてゐる様子だった。其の後、冬の或る日、車を降りて風車の近くまで行って激しく回転する羽の様子を眺めてみたが、甲高いプロペラの回転音がかなり耳障りだった。かういふことも考慮した上で、風車は設置せねばなるまいね。ところでその近くの公共施設には、縦型の風車が設置されており、そちらの方は静かな様子。この先各戸が屋根には太陽光発電板を、庭には風車を設置して電力を自家供給する時代が来るのだらうか?(-_-)?

風のしるし-左手のためのピアノ作品集

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