破天荒

憐れみの球体

春彼岸過ぎても猶、この天候。
木枯らしを越ゑ、ばうばう吹き狂ひ、横殴りの雨混じり、青空の欠片は何処へ去りしか。
天の荒れ狂ひたりけるや、地の震へ揺さぶられたりけるは、いずれも人知の及ばざる領域の現象にて、人は唯右往左往するがせいぜいなり。天を仰ぎ、地に伏して拝めども、往々にしてその時すでに遅かりせば、憐れなるべし。
神の不在を嘆く者は憐れなるべし。
天を揶揄せし者は憐れなるべし。
運命を呪ふ者は更なり。
自らを律し、信ぜよ。
宇宙を愉しみ、併呑せよ。
自らを憐れむより先に、神を憐れみ給へ。
Miserere mei「命よ。」―中村晋也彫刻作品写真集