春の蠢き

古き虚ろなるもの

恒例の大往来なれど、いつもと違って早朝7時前に出発。されど各要所要所で朝の渋滞に巻き込まれ、2時間半の道程が3時間近くかかってしまう。これとて我が不徳に起因するものなれば、即ち偉大な運命の女神の為せる技なれば、泰山に登りてカルミナ・ブラーナを唱和するが如し。
運命 世界の王妃よ 月のやうに姿を変へる
常に満ち 常に欠ける
恐ろしい 虚ろな運命よ
汝は巡る車輪の如し
吾は運命の傷に泣く
目に溢れる涙
かつて与へられし恵みを運命は
再び背ひて 奪ひ去る
この事実 いにしへの書にも曰く
「黒髪豊かなりし若者も、時至れば失ふべし、その髪を」とぞ
されどやがて
輝く春の面は
世界を覆ふ
冬の厳しさは
敗れ逃げ去る
気高き森は 花盛り
花は咲き 葉は茂る
オルフ:カルミナ・ブラーナ
春は地平の果ての彼方から 我々を抱擁しつつある