ビンゴ・クレピュスキュル

どやさ?

ロング・エンゲージメント」こと、A VERY LONG ENGAGEMENT 観ゆ。
ジャン=ピエール・ジュネが、再度オドレイ・トトゥを起用。画面の隅々にまで、俳優の仕草の細部にまで、風景のあらゆるところにまで神経を張り巡らせて、丁寧に丁寧に作り込まれた感触は「アメリ」を上回るほど。お得意の引きや寄り、俯瞰や鳥瞰を自在に操り、それでいて非常にリアルな戦場シーンや、一瞬戸惑うオペラ座前、レ・アール市場、トロカデロなどの古き良き巴里の風景の数々。独特な濃いセピアに彩られた画面を観てゐると、時間を忘れてマチルドの世界に引き込まれる。勿論脇役には「デリカテッセン」などからの常連である怪しげな面々、ドミニク・ピノン、ティッキー・オルガド、ドミニク・ベテンフェルドも出演してゐて我輩としては妙に安心したのだが、他の出演者で一番驚いたのはジョディ・フォスターの出現。余りにも唐突で物語りに溶け込んだ感じだったので、はじめはよく似たフランス人女優かと思った。なぜなら余りにも流暢なる仏蘭西語を喋るし、表情も仕草も仏蘭西人そのもの。女優なれば斯くの如き変容は当然と言へば当然のことなれど、才能の一端と器量の広さを再確認せり。兎にも角にもジャン=ピエール・ジュネ監督職人芸の、まうひとつの頂点の出現かもしれない。ちょっと褒めすぎ?!
<どーでもよいこととか>監督の他にジャン=ピエールが2人、ジャン=ピエール・ベッケル et ジャン=ピエール・ダルッサン。このパターンにはジャン=ピエールやジャン=リュック、ジャン=ルイ、ジャン=マルク、ジャン=ポールなどがある。要するにジャンがぎょうさん居って区別がつかんので、何かを足すワケだ。さう言へば仏蘭西にはドミニクもぎょーさん居ったな。
この映画のポスターの1枚、マチルドことオドレイ嬢の思はせ振りな後ろ姿、どっかで見たことあるぞと記憶の小径を辿れば、行き着ひた先は意外にも「ネメシス」(スタートレック)でありました土佐。。。
どうよ?!
(~|~)
ロング・エンゲージメント オリジナル・サウンドトラック