備へ有ればそれなりに憂ひ有り

一見長閑なる風景なれど・・・

鋭き刃物で真っ二つに切り分けたやうな半月。その月影は内湾海上に反映し、時折吹く北西風に揺さぶられては煌々と、冷たく光り輝く。
阪神・淡路大地震から10年てうこともあらうが、このところ妙に地震関連の報道が多い。社会を包み込む雰囲気的に地震に対する不安が増せば、人心が不安定となり、エントロピーが増大し、社会の紐帯は内部より崩壊する。その不安を増幅させるやうに、列島各地で次々と発生する実際の地震情報が、テレビや電脳網を走り回る。昔なら知らずに済んだ遠隔地の小中規模地震でさへ、知ることを余儀なくされてしまうことの功罪。株式市場に顕著なやうに、個々の微少な不安や暗澹の堆積が、社会を制御できない方向に突き動かし、秩序を崩壊させ混沌に向かふ。これがこの宇宙の摂理である以上、受容せねばなるまい。それでも何かしら、藻掻き足掻くのが人間様の宿命なのだらうから、あれこれ深刻に考へてみても無駄なワケだ。
地震予知会やそれに類する組織や仕組みは徐々に整ひつつあるのだらうが、たとへば数日前かはたまた数時間前に地震が予知されたとしやうか。混沌と混乱と困惑と困憊以外に、予想されるシナリオは無い。そんなワケで、マスコミを通じて次第に情報を多く流し、人々に警戒や備へを促してゐるのではないか。さもあらずむば、人間の動物としての本能の末端のかけらのミイラ化した神経束又はミトコンドリアが自主的な警告を発してゐるのだらうか? 兎にも角にも、備へるに越したことは無いものの、先日の南方の津波の如き脅威を目前にして、人間に出来ることと言へば・・・・・・
(-_-)
餅を喰ふことぐらいでせうか?!?
ひょっとして、今が年貢の納め時?!?
(−_−)