ははきぼしのこころ

魅惑の光芒

マックホルツ彗星を見る。
牡牛座の宝石箱、昴のすぐ脇に居る、薄ぼんやりとした光点に目を凝らす。この冬の夜空の、澄んで張りつめた冷気を通して見る青白い光り。双眼鏡で見るとその光芒は予想以上に短かかったが、昴と相俟ってこの上ない贅沢な光景が展開してゐた。
冬の大三角てう言葉を思い出す。目映く光り輝くシリウス、オリオンの優ベテルギウス、子犬の頭プロキオン。銀河を跨ぐこの巨大な三角形は、否が応でも目立つ存在だ。今夜は時折北風に乗って通り過ぎて行く白い雲を見送りつつ、既にひむがし低くに姿を現し始めてゐるスピカと木星の競演や、双子座のポルックスに寄り添う土星の姿も確認できた。
星々に心寄せ、星々の移ろひを人心に映すことが、地上を這う者の宿命である。でも、夜空を見上げ続けるのも15分が限度。勿論頗る寒きが故・・・
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