巡りて食さむ

皆にて喰らふ

もののけの肉をば、鍋にて喰らふ。
もののけの肉は赤く白く、さほど脂も臭ひも無かりせば、さすが歯応へはもののけの本領を残して硬けれど、味噌や野菜の煮汁にまみれ浮きつ沈みつ、我が胎内に摂取されたりける。
さてこの日より、我が血肉と成りしもののけの、いのちの巡りは円環で、何処に向かひ行かむとぞ。
いざ、鍋をば突つかむ、鍋をば愉しまむ、もののけのいのちの巡りを促さむ。