珈琲的

新奇工夫式

十三夜の月影いづこ・・・
珈琲を切らしたので、暫定的措置として「ドリップバッグ」なるものを買ってきた。
ご丁寧に鮮度保持の為に冷蔵ケースに入って売られていたのだが、一般食品の並びにぽつねん唐突にこの珈琲だけ置いてあったので、珈琲として売れてゐるのかどうか。とにかくフィルター本体に厚紙のフックが接着されており、ぺなぺなと両側に引き出すと容易にカップに装着できる仕組み。以前に買ったものは、カップには装着できたが、肝心のフィルターの口が大きく開かないので、指を添えてお湯を注がなければならず、不便であった。そんな苦情が何軒か寄せられたのだらう、今回の製品はフックを広げて装着すると同時に、フィルターの口に沿った厚紙が支えとなって、四角く開くやうになってゐるのだ。単純なことだけど新奇工夫が為されており、大変宜しい。
ちなみにこの手の製品におけるカップ1杯分の珈琲豆は8gてうことになってゐるが、我輩は珈琲メーカーで1杯当たり10g見当で豆を投入してゐるので、ちょっと濃いめてうことにならうか。しかもフレンチローストの深煎りをこれだけ使うワケだから、客人によっては濃すぎて飲めない人も居るワケだ。
そんな濃い〜珈琲を、勿論そのままで飲むことも有るし、脳が欲する時にはブラウンシュガーを入れて飲む時も有るし、普段の朝は砂糖無しのカフェオーレなので、ぎうにうと半々で割って飲んでゐるワケだ。越南滞在中はかつての宗主国である仏蘭西国の影響と啓蒙で、仏蘭西式の濃い珈琲がいまだに飲まれてゐて嬉しかったが、以前越南製珈琲の粉を頂いた。独特の越南式フィルターで淹れても美味しかったが、構造の関係上どうしても粉が沈殿してしまう。我輩は普通のモカ珈琲にブレンドして紙フィルターで淹れてゐたのだが、越南の珈琲は独特の風味で好き嫌いがはっきり別れるだらうな。
今回の新奇工夫式ドリップバッグは予想以上の風味が出たが、もの足りない分の数グラムは残ってゐる越南式珈琲粉で補填して暫く使用してみることにする。但し、便利な分、生ゴミとも可燃ゴミとも判断付かぬゴミを生産してしまうことは気になるが・・・・
(-_-)