種類別 氷菓

編年せよ!

この夏初めて、「スイカバー」の入手に成功した。今年はどうもこの製品配置に変動がみられ、例年なら平気な顔をして年中売ってゐるコンビニでさえ、取り扱っていなかったのだ。その原因としてはいくつかの要因が思い浮かぶが、「パピコ」や「ガリガリくん」の異常な攻勢というか巻き返しが最大のものかもしれない。それと、大型店舗におけるボックス売りの普及も、作用しているのかもしれない。当の「スイカバー」でさえ、サイズを縮小した箱入りのお徳用が売られており、驚くべき事にスイカ味ばかりではなく、メロン味のものが混合されているらしいのだ。このような箱入りは最低6本から、多いものでは12本以上のアイスバーが詰められており、コビトにとってみれば夢のやうな魔法の箱とも形容すべき存在であらうことは、いちいちコビト宅を訪問して確かめるまでもなく、明らかなことだ。しかしだ、よく考えてみたまへ。いくら「スイカバー」の大ファンでありかつ、未知の存在である「メロン味」に対する並々ならぬ興味があったとしてもだ、大型店舗で箱ごと買った場合を想像したまへ。たとへお持ち帰り用の無料氷(食べないでください)を大量に詰め込んだとしても、アイス本体の溶解に到らぬ距離に自宅が存在する可能性はかなり低い。かといって大型店舗のお食事コーナーや軒先やコビトランドで早速開封して食べることの出来る本数には、自ずと限りがある。個人的には3本半で疑似頭痛が激しくなり、4本目を3口ほど食べた頃にはその場に倒れて眉間から血が流れ出すやもしれないし、箱に残ったアイスを凶暴なコビトに発見されて襲撃されるかもしれない。想像するだに恐ろしいことであるし、そこまでリスクを抱えて購入はできない。以上のやうな理由で、我輩の如き独り者は、コンビニでふつーに販売されることを、ふつ〜に願っているわけだ。
次に、ここ3年間の「スイカバー」の具体的変化を見てみやう。パッケージデザインは一見さほど重要な変化が無いやうに思われがちであるが、大間違いである。3年前のものは果汁含有率が7%であったのだが、去年から驚くべき事に10%に変化していたのだ。これほどの大変化は一口目に一瞬にしてわかったが、多くの人民は気温の暑さとキャンデーの冷たさで味覚が麻痺しており、気付いた者は結局千人のうち3人ほどではないかと推測される。メインキャラクターこと「すいかば君」は山吹色のにこやかなカバだが、今年のパッケージでは「すいかばちゃん」という薄紫色のキャラと対になっているではないか。発売当初は「チョコっと種入り」と書いてある如く、パフ入りチョコレートで出来た種の存在が理解できず、実物の種のやうにそのつどぺぺっと吐きだしていたコビトも多く居たやうだが、今では可食物であることが広く認知されたやうだ。ただ、残念なことは、昨年のものから注記されているのだが、「スティックにプリントされているものがありますが、当たりではありません」という一言だ。これだけ意図的に買っている我輩であるが、まだプリントスティックは未確認であり、わざわざ注記を要するほど人民は「当たり」と勘違いするからくりがあるに違いない。確認が急務であることは、言うまでもない。
これ以外にも、最新のものからは価格表示やベルマークが消えたことなど、細々とした変化が見られるのである。ところで正式名はどうやら「BIGスイカバー」らしいが、となると「MINIスイカバー」や「MINIMINI」が密かに販売されているのではないかと考えるのが偉大な人間の常だらう。この点も含めて現在調査中であり、中秋の名月までには解決しておきたい問題である。なぜならば中秋の頃には月餅(ユエピン=げっぺい)の考察で忙殺されている可能性が高いからである。
それにしてもイワシ博物館の爆発というのも、大変気になる。何かの前兆?(-_-)