古代文明編

見比べちゃーダメかしら?!

大英博物館の至宝展」がらみで販売されていた食玩の出来は、当の大英博物館ミュージアム・ショップでの取り扱いが決定されたことからもわかるように、かなり精巧な出来のものだった。もちろん海洋堂の企画制作なのだけど、こういうことをしている限りにおいては、日本人の遺伝子レベルに組み込まれた能力が最大限に発揮されている分野と言えよう。
宇宙ロケットのような、精密さと大胆さ、もしくは大雑把さの両極を必要とする分野は苦手であることは、何度もの打ち上げ失敗で偉大に証明されていることなので、そういうことを得意とする西洋人に任せておく方が宜しい。
同様の得意分野としては、アニメ、デジタルカメラなどが思い浮かぶ。限られた空間に信じられないほどの機能や物語を盛り込む能力は、日本人の右に出る者はいないのだ。
考古学分野はフィギュアに新しい世界を創り出したが、文物だけではなく、遺跡自体もフィギュア化されていることに驚く。先日いただいた「雲崗石窟」は言うまでもなく中国三代石窟の一つで北魏時代5世紀の開削開始。曇曜5窟と呼ばれる著名な5石窟中、フィギュア化された第20窟は露天の大仏だ。なかなかの出来映えで、よくもこのようなテーマを取り上げたものだとつくづく思う。この路線ならストーンヘンジモン・サン・ミッシェルなんかも有りそうだけど、「コレクト倶楽部・古代文明編」と称する味覚党のシリーズには、筆頭にギザの三大ピラミッドと大スフィンクスがラインナップされていたが、前の2つは無かった。パルテノン神殿やオルメカの大石頭、三星堆の黄金箔仮面やハンムラビ法典なんかが入っているのはとってもマニアックだな。でもいろいろ見てくると、エジプト文明そのものが如何にビジュアリスティックというかフォトジェニックかということがよくわかる。ちなみにこの古代文明編の監修は吉村作治氏だって。考古学者もいろいろ忙しいのであります。