松塩・竹塩・梅塩?

ディープ・インパクト

「松塩」歯磨きを使い始めて、1ヶ月になる。特別にみるみると歯が白くなるわけでも、虫歯が消えていくわけでも、顔がよくなるわけでも何でもないが、箱書きにあるとおり、「いままでなかった爽快感」で大変宜しい。このような使用感を予想して買ったわけではなく、インパクトの強いパッケージデザインに引かれて手に取ったのだ。
ハングル文字は日本人にとって一番「身近な未知」の文字であり、同時にもっとも縁遠い文字の筆頭かもしれない。その距離はアラビア文字にも匹敵するものと思われるが、朝鮮半島の人々が漢字やひらがな・カタカナに抱く複雑な心理は含まれていないようだ。
とまれ、この松塩の発想は日本には無かったものかな。そういえば以前爆発的に流行した竹塩石けんも、日本では見たことのない類の商品だった。大流行の最中に韓国に出掛けたときは、帰りのフェリーに凄まじい量の竹塩石けんを持ち込む人が何人も居て、呆れたものだった。結局自分でも何個か購入したけど全部あげてしまったので使ったことはないが、だぶついたおなか回りの脂肪部分に集中的に使うと、しゅーしゅーと音を立てて脂肪が分解するらしい・・・という噂だった。そんなダイエットがらみの商品と違い、この松塩歯磨きはパッケージこそ印象強いけど地味な商品であると言ってもよいだろう。
箱書きには成分の他にもいろいろ書かれてあって、「韓国ヒット商品! いままでなかった爽快感をお試しください」「マイルド塩でしっかり磨けます」「フレッシュなパイン(松の葉抽出エキス)とハーブの香味」「アラントインクロルヒドロキシアルミニウムが歯周病と歯肉炎を予防します」「カプセルがはじけて爽やかな松塩の香りが広がります」などと、なかなか雄弁であるが今のところ大流行の兆しは無い。そもそも「松塩」というものがどんなものか、今ひとつよくわからない。竹塩というのは竹の中に粗塩を詰め込んで蒸し焼きにしたものだったが、松塩というのは何だろう? いろいろ考え始めると「よくわからない」ということが「よくわかり始める」だけなのでやめておこう。ちなみに絞り出した見た目は、「わさび」風である。
「竹塩せっけん」「松塩歯磨き」の次は定石通り「梅塩シャンプー」だらうか?