ぬめぬめと、濃淡うねる雲の背後からお化けのやうに数本の触手を伸ばした十六夜月が東の空に昇り、此の時期の冬の夜にしては不気味なほど静かで穏やかな夜が更けて行く。 鵺はこの闇夜の、何処に潜んでゐるのだらうか。心の闇は、この寂れた月明かりの何処に…
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