茫々漠々たる黒潮の大海原を遡り、船は時折其の巨体をたゆたへ横に揺らし、乳白色または青灰色の不思議な霧と雨の帯を越ゑ、南海洋の島々をくぐり抜け、琉球列島に到達せる。 早朝とは思はれぬ気温の高さと、湿気を孕んだ海風に当てられて、靡くはずの髪も忽…
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