並木の梢が深く息を吸つて、 空は高く高く、それを見てゐた。 日の照る砂地に落ちてゐた硝子を、 歩み来た旅人は周章てて見付けた。山の端は、澄んで澄んで、 金魚や娘の口の中を清くする。 飛んでくるあの飛行機には、 昨日私が昆虫の涙を塗つておいた。風…
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