五如来に 捧ぐ水の子 蝉時雨

舊暦七月十一日の精霊棚(施食棚)@霊松山常光寺&五福山隣田寺 at 渥美半島先端部

 

 
如来:施食會(せじきえ)幡
如来旗とは;施食會の法要時に五人の佛様の名前が書かれた五色の幡を飾る。
これらの名前には鬼の心から離れられるやうにてう願ひが込められてゐる。
 
南無多寳如来:なむたほうにょらい
これで充分ということを知らない貪り心=むさぼりこころ、即ち飢えたものを救う佛。布施をせずむさぼりの業をなした為…飢餓世界で苦しんでいる者に食べ物を施し圓満ならしめる如来
 
南無妙色身如来:なむみょうしきしんにょらい
この貪りの心からくる醜ひ形相をした飢餓の姿を打ち破り、美しい妙なる色身の佛として醜い餓鬼を救い優しい顔を得させる如来
 
南無甘露王如来:なむかんろおうにょらい
甘露の水は一切の餓鬼にそそがれ、煩悩の猛火を消し去り心身を快楽な姿にしてくださる如来
※甘露とは、生命=いのちをはぐくみ、魂を潤わせること。
 
南無廣博身如来:なむこうはくしんにょらい
餓鬼は、針のような咽喉(喉)をしてゐて食べたくても喉が狭くて食べられない。餓鬼の喉を大きく廣げて飲食の美味を得させようとする如来
 
南無離怖畏如来:なむりふいにょらい
不浄による餓鬼の世界ではいつも苦痛と恐怖におびやかされており、その恐怖を取り除いてくれる慈悲をもった如来
 
寺ではこの他に東方、西方、南方、北方の四天王の幡と、施食會に對する経文の偈文(マントラ)を唱へた幡とをかかげて(全部で11幡)餓鬼道に苦しんでいる餓鬼を救ふ大法要を行ふ。
 

 

※左右の眞言(マントラ)は「廣大寳楼閣善住秘密陀羅尼経」に由来するもの。右側は「おんまにばじれいうん」左側は「おんまにばれいうんばった」と讀む。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
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