望月の 欠けたるが故 雲の裏

今宵卯月満月也
天文にこれほどさまざまな重要な兆候が現れる年も確かに珍しい。
流石に噂に高き「2012」年だけのことはある。
5月21日の金環食に次ぎ、今宵6月4日の部分月食。そして6月6日の金星日面通過。7月15日には木星食。8月14日に金星食・・・
今宵の部分日食は、残念乍ら雲に隠れて気配のみで終はって仕舞ったが、次は明後日に金星の日面通過が控えてゐるのだ。
6月6日に6時間かけて金星が太陽面を通過することから、此の現象そのものに何らかの隠喩が込められてゐるのではないかと考える人が居ることも、確かなことだ。
耶蘇教的神秘主義者たちが騒ぐのも無理は無い。金星は堕天使(悪魔)ルシファーの象徴であり、また666てう数字も聖書では「獣の数字」として扱はれてゐるためだ。
とまれ、天文と地理が本来一体のものである以上、地上の人間はもっと天文現象に其の五感を供するべきではないか。
 

欠けたる月の姿は見へずとも
 

深夜足元の叢は姫蛍の光で満天星