超満月作用立夏編


 
 

 
 

 
今天は彌生望月、頗る象徴的な日である。
国内の原子力発電所の稼働が、全て停止された。しかし、我が邦の原子力問題は何一つ解決してゐない。
蓄積された使用済み燃料はガラス固化体に再処理されるわけだが、2009年末の段階で国内に貯蔵されてゐるガラス固化体は1664本。2020年頃までの原子力発電によって生じる使用済み燃料をガラス固化体に換算した量は、約4万本と計算されてゐる。再稼働云々、夏の電力不足云々以前に、数十世代先送りされた放射性廃棄物の問題に道筋を付けるべきではないのか。
そして今宵の満月は輝度も見かけの大きさも倍増。天文関係者の間では「超月=super moon」と呼ばれてゐるらしい。近日点ならぬ近地点と言ふわけだ。地球上での現実として、2012年の他の満月より14%大きく見え、30%明るいのださうだ。
そんな特別な満月の日に、列島中央で地震が発生するのも理の当然であり、何ら不思議なことではない。
このやうな天文現象に同期して、雪山で老人たちの遭難が相次ぐ。先日の夜行バスの運転手では無いが、経験を積んだ「老獪な大人」や「本物の専門家」が絶滅しつつあるのだ。
本来若者達の怠惰や怠慢を質し、道徳や品行方正を説くべき「いい年したオトナ」が此の体たらくだ。雪山での経験値が低ければ、其れを補ふ想像力も欠如してゐたてうことだらう。吹雪の予想された天気図さへ、誰も読めなかったのか。
今回の遭難は、運命の作用力と言ふよりも寧ろ、自業自得と呼ぶべき愚行の結果だらう。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
http://www.enecho.meti.go.jp/rw/hlw/qa/syo/syo03.html