暗黒物質の形而上学的音楽表現


 
ギドン・クレーメルのあの神経質な風貌に惑はされてはいけない。
☆THE RUSSIAN ARCHIVES☆ GIDON KREMER PLAYS 20TH-CENTURY COMPOSERS てう3枚組のCDを買った。ギドン・クレーメルによる20世紀の作曲家の作品演奏を集めたものだ。
KARAYEV, KUPKOVIC, PROKOFIEV, SCHOENBERG, SALMANOV, WEBERN, STOCKHAUSEN, MARTYNOV, LOURIE といった面々で、音源も1967年から92年までのライブが中心だ。
無調正で半音階、聴く者を不安に陥れる曲調。聴く者の不安や潜在意識の領域に隠された恐怖心を感情の表面に浮かび上がらせるやうな曲が多いのは何故?
勿論、中には MARTYNOV の Come In! のやうな慈愛に充ちた曲や、PROKOFIEV のやうに跳躍する超絶的な音階の中に生命の躍動や喜びを表現した作曲家も含まれてゐるものの、概ね暗く不安定で、妙に哲学的で真空宇宙の暗黒面を表象したやうな作品が多いのも確かなこと。
そんなさまざまを、クレーメルは難無く弾きこなしていく。音の密度の高い、精密で緻密な演奏が殆どだ。
出色は Kara KARAYEV (1918-1982) のヴァイオリン協奏曲で、指揮者の存在をも忘れさせるオーケストラとの掛け合いと一体感、そして永遠に続くと思はせるやうなカデンツァ。こればかりはだうしても演奏風景を見てみたい。
一方 Vladimir MARTYNOV (1946- )の名作 Come In! はコンサート会場に響き渡るメトロノームの音がとりわけ印象的で、クレーメルのソロも後半の楽章に向かって高揚感著しい。
とまれ、彼の演奏ほど、神経の存在を皮膚感覚で実感させるものは無い。
 

Russian Archives-Kremer Plays 20th Century Compose

Russian Archives-Kremer Plays 20th Century Compose

 
ギドン・クレーメル - Wikipedia
 
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「悲しみを頑張る力に」 ダライ・ラマ14世、東北入り

東日本大震災の被災地に寄せる思いを語るダライ・ラマ14世=4日、仙台市青葉区ホテルメトロポリタン仙台
 
 来日中のチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世(76)が4日、東日本大震災の復興を祈願するため、震災後初めて東北入りした。仙台市内のホテルで記者会見し、「悲しみを分かち合い、被災した街を立て直す力に変容させていきたい」と語った。
 ダライ・ラマは、大津波による甚大な被害と放射能の不安にさらされた東北の被災地を「人間がコントロールできる範囲を超えた苦しみに直面している」と思いやり、「本当に悲しく、心を痛めている」と述べた。
 人間は、さまざまなつながりの中で支え合いながら社会生活を営む生き物だと指摘。「苦しみを一人で背負い込むようなことがあってはいけない。人と人の関係性を大切にし、悲しみを分かち合って共に生きていきたい」と訴えた。
 困難を乗り越えることが再生につながるとの考えも示し、「悲しんでばかりでなく、悲しみを頑張る力に変容させていってほしい」と述べた。
 ダライ・ラマは6日まで宮城県に滞在。仙台市石巻市の寺院を訪ね、被災者と触れ合う。「今、逆境をのりきるために必要なこと」などと題する法話を行って、被災地再生に向けたメッセージを発信する。

2011年11月05日土曜日 河北新報ウェブサイトより引用
 
 
ダライ・ラマ石巻で慰霊法要 「心の痛み分かち合う」

法要に参加した地元の幼稚園児と手を合わせるダライ・ラマ=5日、宮城県石巻市門脇町の西光寺
 
 東日本大震災の復興を祈願するため東北入りしているチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世(76)は5日、震災で大きな被害を受けた宮城県石巻市門脇町にある西光寺を訪れ、慰霊法要を行った。
 ダライ・ラマは本堂に入って礼拝し、般若心経を唱えた。出席者約1000人に「心の痛みを同じ人間として分かち合いたい」と語り掛けた。太平洋戦争末期の原爆投下による広島と長崎の惨状にも触れ「焼け野原から立ち直ったときと同じように、勤勉な国民性と協調性で力強く立ち上がってほしい」と励ました。
 最後に「幸せな未来が少しでも実現したら、私を招待してほしい。お祝いをしたい」との言葉を送った。力強いメッセージに涙ぐむ人もいた。
 遺族代表として亀山紘市長が謝辞を述べ「人と人との支え合いを大切に、復興を果たしたい」と誓った。

2011年11月06日日曜日 河北新報ウェブサイトより引用