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山下洋輔 ソロピアノコンサート
山下洋輔のナマ音を聴くのは実に11年ぶりのこと。ふだんクラシックのコンサートが開かれる上品な小ホールのステージに鎮座ましますSTEINWAYを手懐け、同時に両腕で首根っこを掴み乍ら揺さぶり続けるやうなフリースタイルは健在。両掌による高速の速射砲攻撃や、肩を落とし込む肘鉄も更に磨きがかかり、特に上昇と下降を繰り返すパッセージの濁りの無さは驚嘆に値する。また、叙情的なバラードの主旋律は、以前にも増して切ないほどの美しさを光り輝かせ、聴くものを虜にする。ヨジレマイオス的技法も健在で、一部に白痴変化の残照も見られた。
1曲1曲に山下洋輔自身の解説が付き、曲の由来だの裏話を知ることが出来、しばしば聴衆(観客?)の笑い声を誘う。いつになく懐古的な話が多かったのは69歳てう年齢も関係してゐるだらうが、会場に現代美術家松井守男氏の姿も見られ、彼とのドラマチックな遭遇のエピソードが聞けたのは貴重だった。
見たところ観客は50代以上が大半で、ちらほら20代の若者も見られる。ロビーで販売中のCDを買った人だけを対象に、サイン会を行います。前に買ったCDを持ってきたり、チラシの裏にサインしてというのはダメですよ、などとお茶目なことを言って会場を沸かせる。
ラストは今や恒例のボレロで、贅沢な2時間だった。
 

ディライトフル・コントラスト

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