Cherenkov radiation blues

多用な見解が存在することは、評価すべきであると思ひますが・・・
 

 
日本人の対応礼賛「伝統文化に基づいた新日本誕生も」との指摘も 米研究機関討論会
2011.3.24 18:27
 
 【ワシントン=古森義久】米国の大手研究機関AEI(アメリカン・エンタープライズ・インスティテュート)は23日、東日本大震災が今後の日本社会や政治にどんな影響をもたらすかを論じる討論会「日本の悲劇=危機から分岐点へ?」を開いた。討論会では米側専門家たちが日本国民の抑制された対応を礼賛する一方、菅直人首相が指導力を発揮できていないという考察を表明した。

 討論会ではAEI日本研究部長で日本政治の専門家のマイケル・オースリン氏が「日本国民がこの歴史的な災禍に冷静さを保って対応したことは、米国内ではイデオロギー面でまったく異なるリベラル派のニューヨーク・タイムズ紙から保守派のFOXテレビの評論家まで一様に感嘆させた」と述べ、「日本人がこうした状況下で米国でのように略奪や暴動を起こさず、相互に助け合うことは全世界でも少ない独特の国民性であり、社会の強固さだ」と強調した。

 オースリン部長は「この種の危機への対処には国家指導者が国民の団結をさらに強めることが好ましい」と指摘したうえで、「しかし、菅直人首相はその役割を果たしておらず、枝野幸男官房長官に代行させているようだ」と語った。

 さらに「大震災直前には菅首相は違法献金問題で辞任寸前に追い込まれ、政治的麻(ま)痺(ひ)の状態にあったのだから、リーダーシップを発揮できないのも自然かもしれない」と付け加えた。

 一方、日本の文化や社会を専門とするジョージタウン大学のケビン・ドーク教授は「日本国民が自制や自己犠牲の精神で震災に対応した様子は広い意味での日本の文化を痛感させた。日本の文化や伝統も米軍の占領政策などによりかなり変えられたのではないかと思いがちだったが、文化の核の部分は決して変わらないのだと今回、思わされた」と述べた。

 同教授はまた「近年の日本は若者の引きこもりなど、後ろ向きの傾向が表面に出ていたが、震災への対応で示された団結などは、本来の日本文化に基づいた新しい目的意識を持つ日本の登場さえ予測させる」とも論評した。
 

 
冷静な分析ではあるが、そろそろ上記のやうな評価も食傷気味になってきたことだらう。
被災者も含めた我々個人個人が、「社会的秩序を守るのだ」てう決意を持って此の非常事態に臨んでゐる自覚は無い。震災の余りの規模の大きさから、ただただ茫然自失となってしまってゐただけだ。
此の世には造反有理てう言葉もあるが、しかしそれでゐて猶、窃盗や暴動を起こすに足る理由も、我々の常識の裡には無い。それを秩序や理性と呼びたいなら呼べば宜しい。

 
NY紙「日本は自粛という強迫観念にとらわれている」
2011.3.29 20:09
 
 【ワシントン=古森義久】米紙ニューヨーク・タイムズは28日付で「津波後の日本は自粛という新たな強迫観念に襲われた」との見出しの記事を掲載し、日本国民の多くが地震津波の犠牲者への弔意から日常の活動を縮小するようになり、国民経済への悪影響が懸念されると伝えた。

 東京発の同記事は、日本で「地震津波原発で何十万という国民が被害を受けたことから、被災地以外でも、少しでもぜいたくにみえる活動はすべて非難されるようになった」とし、日本国民のすべての層が生活面での「自粛」をするようになったと報じた。

 自粛はまず電力の節約という形をとり、日本国民が「電灯、エレベーター、暖房、トイレ座席の暖房まで止めるようになった」とし、安売りカメラ店の客案内の音声やカラオケ店への出入り、桜の花見、高校野球応援、東京都知事選の候補の音声までが自粛されていると指摘した。

 同記事は自粛が過剰になっていることを示唆し、企業や学校の行事のキャンセルが日本の経済全体の60%に及ぶ消費支出を大幅に減らし、「もともと停滞していた日本経済に浸食効果をもたらし、倒産を急増させるだろう」と述べている。

 また「東京都民にとっての自粛は被災地の人々との連帯を示し、自粛をする側を何か良いことをしているという気分にさせる安易な方法だ。しかし、当人たちは実際にどんな効果をもたらすかはあまり考えていないようだ」とも論評した。
 

 
長期に亘る極度な「自粛」が被災者個人の心的障害にまで及ぶことは想像に難くないことである。結果、社会全体の気運までも沈降させてしまふ要因になるてうことも、容易に想像がつく。
残念なことに、多くの日本人にとって「自粛」は美徳の範疇にあり、時と場合を選ばずに公的抑圧であるかの如く作用する場合が多い。勿論、被災地には欲望を露わにする喧嘩や窃盗もあるし、絶望や思考停止も常態化しつつある。
復興への気運は社会全体が担うべきものではあるが、被災地や非被災地を問はずに普遍化することは難しい。
ただ、そろそろ欲望や感情を包み隠さず剥き出しにする時間も、必要になってきたことも確かなことだ。
 


 
 

 
 

 
 

 
 

 

 

 

 

 

 

 
 
 

 
 
 

 
 

Symphony 3

Symphony 3 " Sorrowful Songs "