核輻射

各種

ここ数日、無限に広がるエクセル荒野との戦ひ・・・
行数は五千以上壱万近く。きっとこれは、何かの呪ひであらう。
当然の如く、エクセルの行数に比例して、チョコボールの消費量も増えるばかり哉。
 
 
さても、昨今の江戸風情。
乳飲み子を抱いて一人2本までの数量制限のあるミネラルウォーターを買うために行列に並ぶ若奥さん。
その行列の横で、暇に任せて早くから並んでゐたらしい老人たちがベンチに座り、談笑しながら煙草を吹かしてゐる。じいさんたちの足元には、超市で購入したペットボトルが入ったビニル袋がどっかと置かれておったそうなげな。
年寄りに水を買ふなとは言はない。ただ、今回の放射性物質検出に因る影響をいちばん受けるのが乳幼児てうことがわかってゐるのだから、老人たちまでもが不要な鉱泉水を買ひ求める必要はあるまい。
 
ところで、そろそろ見飽きてきた福島第1原子力発電所を中心にした同心円図。実験室内でもあるまいし、書き表された多重同心円にいったいどんな意味があるてうのか。
此の同心円図には地形も風向きも配慮された痕跡が無いし、陸上部分と海上部分が同等の扱ひであるてうことを見ても、あまり意味の無い図であることがわかる。
このやうに、虚しく無意味な同心円によって区切られた範囲を恰も基準に見立て、住民の避難だとか屋内待機だとかを決めてゐる無意味さは、見てゐて腹立たしい。
ここにきてやうやう、SPEEDIで計算された汚染物質の飛散予想範囲図が出されるやうになってきたが、何故初めからこのやうな情報を出さないのか。
 
CNICトピックス | 原子力資料情報室(CNIC)
Auf einen Blick: Grafiken - SPIEGEL ONLINE

 
SPEEDI(スピーディー)ネットワークシステム
緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDIネットワークシステム:System for Prediction of Environmental Emergency Dose Information)は、万一、原子力発電所等から大量の放射性物質が放出されるという事態が発生した時、放出源情報をもとに周辺環境における放射性物質の空間濃度・線量等を地形や気象を考慮し迅速に予測するシステム。
 

 

 
 

 
肝心な時に役立たず 放射線予測システム「SPEEDI」の壮大なムダ
2011年03月27日10時00分 提供:ゲンダイネット
 
 政府の原子力安全委員会は23日、放射性物質の拡散を予測する「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」(SPEEDI)のデータを公表した。

「SPEEDI」は、日本原子力研究開発機構(旧日本原子力研究所)が設計、開発。現在は文科省の委託を受けた原子力安全技術センターが運用している。原発関連施設や自治体が測定している放射線観測データに気象情報、地形などを加味して危険性を算出する。放射性物質の拡散範囲や量を48時間先まで予測できるとされる。5段階に色分けされた放射線が、原発から少しずつ広がる様子が地図上に表示される仕組みだ。

 福島原発の事故でも、性能発揮が期待されたが、国はなかなか公表しなかった。専門家からの批判が集中したので、震災から2週間経った23日、やっとデータの公表を決めたのである。

 結果は、北西と南側を中心に原発から30キロを超える地域でも100ミリシーベルトを超える被曝量があることが分かった。試算は12日から24日までずっと屋外にいたと想定。原子力安全委員会の班目委員長は、「非常に厳しい条件で算出した。屋内退避の拡大の必要はない」と言っていたが、こうしたシミュレーションは、ドイツや米エネルギー省がとっくに公表している。

「それに今回は、東電が設置したモニタリングポスト(MP)が地震で故障して使えなくなり、放射線に関するデータが入手できない状況が発生した。緊急事態の対応拠点となる福島・大熊町の『原子力災害対策センター(オフサイトセンター)』でも電気系統が壊れて機能不全に陥りました。そのため、正確なデータ収集ができず、予測もままならない状況になったのです」(経済ジャーナリスト)

 原子力安全委員会は「これまでは(機器の故障などで)データが集まらなかった」(総務課)と認め、「公表時期は未定」と言っていた。肝心の時に役立たず、ようやく出してきたものも、避難した後で役に立たなかった。ホント、税金の無駄遣いだ。原発問題に取り組む環境団体「たんぽぽ舎」の柳田真共同代表はこう言った。

「公表されるデータの中には、数値を過小評価し、意図的に加工したり、解釈されたりするケースもあります。4年前の新潟県中越沖地震柏崎刈羽原発に事故が起きた際、公表された放射能モニターの数値は普通だったが、近くにあった桜の木の花びらが突然散ったため、異常が判明しました。福島原発の事故ではいまだに炉内の水圧、気圧、温度などがすぐに明確に示されません。公表数値がどこまで信用できる『生データ』なのか。そうしたチェックも必要です」

「SPEEDI」が予測を更新する頃には、日本全国に汚染が広がっていそうだ。

日刊ゲンダイ2011年3月24日掲載)