HERE AFTER THERE BEFORE

昨日はどんな電影を観たのかてう問ひ合はせが約1件御座ゐましたので告白しておきますが、「ウォール・ストリート」と「ヒア アフター」の二本立てで御座ゐました。
前者はご愛敬でしたが、後者は老獪なクリント・イーストウッドが最晩年に到達した情緒世界を体験してみたくなり、こちらはかなり積極的な鑑賞。
結果、予想に反せず、静かに丁寧に作り込まれ、織り込まれていく物語り。臨死体験を端緒に、霊媒師やニュースキャスターや不幸な生ひ立ちの双子が一堂に会していく。パリとサンフランシスコとロンドンで別々に営まれてゐた人生が、不思議な縁によって収斂され、次第に結びつけられていくのだ。
例によって音楽は全てクリント・イーストウッド本人が担当してゐるのだが、微妙にゆらぐラフマニノフのピアノ協奏曲からの旋律の響かせ方が絶妙で見事だ。
とまれ、クライマックスと呼ぶには余りにも地味なラストだが、彼の作品であればこそ許された境地であらう。
ちなみに平日故か作品の地味さ故か、月曜日男性終日千円&最終回上映にも係はらず、シネコンの小さめの部屋に客は我輩一人で御座ゐましたとさ。
 
 

 
 

 
 

 
 

酒蒸しか味噌汁か、それが問題だ。
 
 
 

これが今宵の結論にて候
 
 
 
 

Hereafter: Original Motion Picture Score

Hereafter: Original Motion Picture Score