メカニカル・トランスフォーマー


 
 

 
 

 
 

 
 
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以下、是非とも御一読下さいますやう、御願ひ申し上げます。
「山本季生君を救援する会」から - 北アルプス 朝日小屋
 
 

 

 
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現在ダライ・ラマ猊下が来日中です。
http://www.tibethouse.jp/dalai_lama/201011japan/index.html
http://www.mmba.jp/teaching2010
http://www.nobelforpeace-summits.org/
http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/0000000000000/1283476821343/index.html
 
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崩壊てうか瓦解てうか、溶解とか腐朽とでも言ふべきか、残念乍ら現在我が邦は国家としての体を為していないと思ふ。
凶悪な犯罪者である彼の国の船長を釈放しておいて、万一果敢なる告発者たる43歳の海上保安官を逮捕し処罰することがあるとすれば、邪悪な人相の某官房長官が嘲笑気味に言ふが如く我が邦は既に独立した法治国家などではなく、中華人民共和国の属国であったてうことが白日の下に晒されることになる。
また最近何かと念仏のやうに繰り返される「戦略的互恵関係」てう言葉、耳にする毎に言葉では上手く説明できない生理的な嫌悪感てうか違和感、不信感を感じてゐた。調べてみると案の定、元を辿ればこれは中国の用ふる常套句であることを今更のやうに知つた。少なくとも此の文言がしきりに呟かれるやうになって以来、果たして「互恵」であったことがあったのか?
我輩が知る限りでは、全ての結末が中華人民共和国側の有利又は勝利で経過しており、我が邦との「互恵」を実感できた出来事は皆無だ。少なくとも此の文言の通り、中国側には確実に戦略(策略)が存在し、不遜且つ強か且つ尊大且つ粛々と其の戦略を実行しており、「互恵」とは名ばかりであることがよくわかる。
此の件に関しては少し古い記事であるが主旨を同じくするものがあったので、後半に引用しておく。
とまれ、此の国の政治については昔から悲嘆するばかりだが、今民主党に愛想を尽かせても直ちに代替に値する政党が存在するわけでもなく、此の辺りの現状に現代日本の抱える病理と限界が凝縮されてゐるのだと思ふ。
 

 
【正論】平和・安全保障研究所理事長 西原正 「戦略的互恵関係」という幻想
2010.10.18 02:48(産経ニュースより)
 
 ≪唖然とさせられた菅外交≫

 中国漁船船長の処分保留のままの釈放というあっけない幕引きとなった、尖閣漁船衝突事件をめぐる菅直人民主党政権の稚拙な外交は、日本人だけでなく海外の多くの人々も唖然(あぜん)とさせてしまった。これが今の日本の力なのかと思うとまさに切歯扼腕である。

 なぜ、巡視船への損害賠償を約束させて船長を釈放しなかったのか。なぜ、釈放に当たり中国の経済報復措置撤回などを引き出しておかなかったのか。そしてなぜ、拘束された日本人4人の解放を取引しなかったのか。さまざまな交渉ができたはずだ。

 国家間の関係は、国益国益のぶつかり合いで決まる。「やられたら、やり返す」気概で対処し、力関係を均衡させたときに、妥協が成立する。その意味で、中国側の謝罪要求や賠償請求を拒否し、「巡視船を妨害して損傷を与えた謝罪や賠償請求するのは日本側である」としたのは中国を黙らせる効果があり、よかった。

 同様に、「観光客の訪日中止に対しては、規則に従ってキャンセル料などをきちっと請求する」、「逮捕された日本人の勾留に納得ある説明がなければ遺棄化学兵器の処理作業を中止する」などと反論して対抗措置をとるのでなければ、外交の敗北になる。

 ≪日本にとっての教訓と対応≫

 事件は教訓をいくつか残した。第一に、中国の尖閣諸島支配方針は明らかだから、日本は実効支配を確実なものにすべきだ。自衛隊の駐屯や周辺での日米軍事演習も重要だが、ソフトな方策として巡視艇の増派、ヘリコプター離着陸地の建設、標識の設置などが必要だ。その上で、魚釣島への要人訪問も検討すべきである。

 例えば、マレーシアは、中国と係争中のラヤンラヤン島に滑走路などの施設を設けており、2008年にはナジブ副首相が、また、昨年にはアブドラ首相が夫人、陸海軍の司令官を帯同して空軍機で同島を訪問、同島が自国領土であることをアピールした。

 第二に、尖閣諸島周辺の海域に近づく中国の漁船は人民解放軍の海軍の指示を受けて、国家海洋局の保護の下に動いているという想定で対処すべきである。

 今回、逮捕された中国人船長も実は海軍軍人だったとの情報がある。普通の漁民なら、中国大使館員が石垣島で船長に連日、接触したのは奇異である。将来、海軍艦船の指示で一度に100隻以上の漁船が尖閣諸島の領海に入るなり、乗組員(漁民に扮した海軍兵)が尖閣諸島に上陸したりするかもしれない。現在陸上自衛隊が進めている離島防衛作戦はこうした事態に対処できるのだろうか。

 第三に、今回、中国政府は尊大になりつつある人民解放軍と「弱腰」政府批判を強める保守派の圧力で対日強硬策をとったとの見立て通りなら、この傾向は今後増幅すると見るべきである。

 船長を釈放させるため、5回に及ぶ駐中国日本大使の呼び出し、外交的諸会談の中止、観光客の訪日中止、レアアース(希土類)の対日禁輸など、外交的、経済的制裁を総動員して、日本に「懲罰」的圧力をかけて白旗を揚げさせる方策をとった。残念ながら、菅政権は膝を屈した。となると、中国は将来、これと同様か、もっと品の悪い手段に出てくる可能性があると覚悟した方がいい。

 中国の愚劣なやり方には、常に対抗策を用意しておくべきだ。中国が日本の船舶に対し不当な税関手続きをとるなら、中国人観光客の日本入国手続きを厳しくするとか、機内持ち込み荷物(土産品)制限を厳しくするとかの策が考えられるはずだ。その結果、中国人が反日嫌日的になり、それが反政府運動になることを政府が恐れるとき初めて、中国政府は日本に妥協的になるであろう。

 ≪中国とは適切な距離が必要≫

 日中両国政府は、「戦略的互恵関係を深める」−を謳い文句にしているものの、今回の事件でそんな関係の構築は幻想ないしは虚構に過ぎないことが明白になった。「戦略的互恵関係」という用語が使われだした08年5月以降も、中国は、東シナ海日中中間線付近での油田採掘を日中共同で行うとされているのに、これに応じていないばかりか、自国独自の採掘を再開させたフシもある。

 中国は日本の国連常任理事国入りに反対、北朝鮮拉致問題解決を近年、働きかけた様子もない。中国は、東アジアでの米海軍や海上自衛隊の影響力を排除しようとしているし、戦勝65周年記念声明を出してロシアと戦略的関係も構築している。どこに日中の戦略的互恵の動きがあるのか。

 日本は、対中関係を重視するのは当然だとしても、過度の経済依存を避け、レアアースなどの対中輸入率の低減、投資リスクの分散などで多少の経済制裁を受けてもあたふたしない態勢を整えて対抗措置も備え、一定の距離を保つようにすることを戦略としなければならない。周辺国への上位意識を持ち覇権を振り回す一党独裁体制とのお付き合いには、それなりの気概が必要なのである。(にしはら まさし)
 

 
外務省: 「戦略的互恵関係」の包括的推進に関する日中共同声明