ネパールの“すずちゃん”から - 北アルプス 朝日小屋

 
※現地からの最新情報を、地球人氏のブログから以下に転載させていただいております。
猶、本日、捜索打ち切りの一報も届きましたが、捜索の意義と経過を理解していただくために、昨日までの記事も掲載しておきます。
 

 
10月10日

捜索隊、ヘリでベースキャンプに到着。
ベースキャンプは問題なし。天候はあられ。
明日からの行動は、天候をよく見て、慎重に行うように、角谷から指示。
ベースから現場までは、約3時間。捜索隊は明日の早朝、現場にむかう予定です。
カトマンズに残った私たちは、朝スワヤンブナート寺院に行き、マニ車をまわしながら、無事、安全をお祈りしてきました。
カトマンズは暑いです。
本日は以上です。
 

 

 
10月11日

午前中に捜索隊が現場(5000m付近)へ到着。天気は晴れ。
安全な場所にテントを設営し、昼から作業開始。第2次捜索のときにマーキングしておいた7カ所のうち、2カ所を掘る。
雪は固く、氷の状態。15時ころより雪が降り始め、作業終了。メンバーは現場のテント泊。
 

 
※本田さんの遺体発見の一報有り
 

 
ヒマラヤ雪崩:日本人3人不明 1人の遺体発見毎日jp NEWS より)
 
 ネパール・ヒマラヤ山脈の高峰ダウラギリ(8167メートル)で日本人登山家3人が雪崩に巻き込まれた遭難事故で、現地に捜索隊を派遣している日本プロガイド協会(事務局・愛知県刈谷市)は13日、行方不明になっている登山隊4人のうち、本田大輔さん(32)=長野県白馬村=が遺体で発見されたことを明らかにした。カトマンズに滞在中の角谷道弘・同協会長(47)から12日夜に連絡が入った。
 本田さんらは先月28日、登山中に大規模な雪崩に巻き込まれた。島田和昭さん(37)=兵庫県芦屋市=は自力で脱出して助かったが、本田さんのほか、隊長の田辺治さん(49)=名古屋市中区、山本季生さん(36)=富山県朝日町、現地人シェルパ1人の計4人が行方不明になった。【安間教雄】
 

 

 
ヒマラヤ遭難 “1人の遺体発見”
(10月13日 1時18分 NHKニュースより)
 
先月、ネパールのヒマラヤ山脈で日本の登山隊が雪崩に巻き込まれ3人が行方不明になっている事故で、登山隊を派遣した団体に12日夜、現地の捜索隊から現場付近で日本人とみられる1人の遺体を発見したという連絡が入りました。
この事故は、先月28日、ネパールのヒマラヤ山脈にある標高8167メートルのダウラギリ1峰で、標高5400メートル付近を登っていた日本の登山隊が雪崩に巻き込まれたもので、名古屋市の田辺治さん(49)と、富山県の山本季生さん(36)、長野県の本田大輔さん(32)の3人が行方不明になっています。この事故で登山隊を派遣した日本プロガイド協会は、3人と面識のある登山家を現地に送り、今月10日から捜索を進めていました。日本プロガイド協会によりますと、12日午後9時ごろ、現地の捜索隊から現場付近で1人の遺体が見つかったという連絡が入り、遺体の特徴などから本田大輔さんとみられるということです。日本プロガイド協会では、天候を見ながら14日まで捜索を続けることにしています。
 

 
http://www.nhk.or.jp/news/html/20101013/t10014542701000.html
 

 
ネパール・ヒマラヤ山脈の高峰ダウラギリ(8167メートル)で
日本人登山家3人が雪崩に巻き込まれた遭難事故で、
現地に捜索隊を派遣している日本プロガイド協会(事務局・
愛知県刈谷市)は13日、行方不明になっている登山隊4人のうち、
本田大輔さん(32)=長野県白馬村=が遺体で発見されたことを明らかにした。
カトマンズに滞在中の角谷道弘・同協会長(47)から12日夜に連絡が入った。

本田さんらは先月28日、
標高6000メートル付近を登山中に大規模な雪崩に巻き込まれた。
最後部にいた島田和昭さん(37)=兵庫県芦屋市=は自力で脱出して助かったが、
本田さんのほか、隊長の田辺治さん(49)=名古屋市中区、
山本季生さん(36)=富山県朝日町、
現地人シェルパ1人の計4人が行方不明になっていた。

日本プロガイド協会の関係者は「捜索隊が雪の中に埋まっていた遺体を発見し、
引き上げて本田さんと確認したようだ。
どのような場所にどんな状態で、いつ発見されたかは聞いていない。
当初の捜索活動は14日までの予定だったが、今後いつまで続けるか未定」と話している。

 岩倉市に住む本田さんの父親の誠さん(59)は13日、「現実を受け入れざるを得ないだろう。見つけていただいたことに感謝する。日本を出発する直前に実家を訪れ、家族や親せきの人と登山について話していたのが最後になった」と言葉少なに語った。
 

 

 
ヒマラヤの雪崩遭難、不明2邦人の捜索打ち切り
 
 ネパール・ヒマラヤ山脈のダウラギリ1峰(8167メートル)で日本人登山家3人が遭難した事故で、登山隊の派遣母体の日本プロガイド協会(愛知県刈谷市)は14日、現地での捜索を打ち切った。
 12日に見つかった本田大輔さん(32)(長野県白馬村)の遺体の搬送を優先するためという。遺体は14日、ヘリコプターでカトマンズまで運ばれた。
 本田さんと一緒に雪崩に巻き込まれた隊長の田辺治さん(49)(名古屋市中区)と、山本季生(としお)さん(36)(富山県朝日町)は行方不明になっている。
(2010年10月14日22時44分 読売新聞)
 

 
一見非情な報道に思はれますが、これが極地における専門家たちの下した、現時点に於ける最善の決断であるのでせう。
今後どのやうな展開があり得るのかは未だわかりませんが、ネパール滞在中の関係者からの続報を待ちたいと思ひます。
あらためて言ふまでもありませんが、生と死の境界は意外に曖昧なもので、例へばミイラ化した遺体を指差して「生きてゐる」と言ふ家族が居れば、其処に死は存在しないわけです。空海大師の例も改めて引くまでもありませんが、生と死や存在の有無は個人個人の意識の問題でもあるのです。
今回発見されなかった田辺さんや山本くん、そして名も知らぬシェルパの一人の生死も未だ、確定されるべきものでもありません。
彼らの生命の息吹や痕跡を感得し、生存を信じる人が居る以上、彼らはあらゆる状態で生き続けてゐるのです。