炯眼なる薄紫

　
　

　
　

　
　
扇風機の軋みと嘶きが、彼の地に鳴り響くブブゼラの如く中耳に共鳴し、時折黄金虫か雀蜂の羽音と聞き間違ふばかり哉。いずれにせよ五月蠅い。

通りを行く女子高生が、「えっ、パクトヘスカル？　ヘクソパスタル？」などと問ひ合ってゐる。何の話？　あらためて彼女らに、「えっ、ラベルのボレロ？　バベロのボメロ？」とか、「バスガス爆発？　ガスバス学閥？」だの、「ジャイケル・マクソン」だの「表彰状？　商標状？」とか、意味無く尋ねてやらうかしらむ。

地上を覆ふ大気が不安定で、時折海上から灰白色の海霧が押し寄せ、いつしか上空の灰色雲と解け合ひ、さうかうするうちにぽつぽつと雨さへ降り始めてはじきに止む。
こんな日に聴く音楽と言へば、半ば意図的に、濃厚且つランダムに。
　

プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」全曲

　

スコア ショスタコービッチ ピアノ協奏曲第2番 ヘ長調 作品102 (Zen‐on score)

　

サムシング・エルス!

　

ワーグナー : 楽劇「トリスタンとイゾルデ」全曲

　

敦煌 (DVD付)

　

ブラック・マーケット

　

メアリー女王のための音楽

　
いずれの曲も、勿論大音量で！