笹百合咲きて蛇を跨ぐの日


昨今笹百合の蕾が点灯し
 

其の清楚なる花は路傍に在りても猶誇り高く香りも芳し
 
 

あれよ我が自転車の行く手には巨大な青大将が横たはり
 
 

身をくねらせて悠々然と我輩を睥睨するではないか
 
 

そんな日の午後書斎の片隅の書籍の谷間にて圧死して干涸らびた家守を発見し
 
 

葡萄の若葉の陰では羽化したばかりの羽根を養生する蛾を見つけるの頃
 
 

ただ神島は静謐裏に孤高を保つ
伊勢の海の
浪のまにまに