集石挽歌


 
嗚呼 晩秋の集石は 斯くも美しく 静謐の裏に在り
もの謂はぬ石石の 風化したりける岩肌の 其の粒子の隙間に
我が情感を捧げやう
岩石の粒子分子の間隙にまで 情緒を浸透せしめ
石石が経た数万年の時空を追体験するのだ
集石の囁きに耳を欹て
枕頭に並べ 懐に偲ばせては
来たるべく冬を待つ
嗚呼 晩秋の集石よ
雨に打たれ
風に磨かれ
陽に灼かれ
土に覆はれ
大地に還る
眠れ
我と共に 眠れ