十六夜月夜の一人芝居


  
てぃんさぐぬ花や 爪先(ちみさち)に染(す)みてぃ
親(うや)のゆし事(ぐとぅ)や 肝(ちむ)に染(す)みり

天(てぃん)ぬ群星(むりぶし)や ゆみばゆまりしが
親(うや)のゆし事(ぐとぅ)や ゆみやならん

夜走(ゆるは)らす船(ふに)や 子(に)ぬ方星(ふぁぶし)目当(みあ)てぃ
我(わ)ん産(な)ちぇる親(うや)や 我(わ)んどぅ目当(みあ)てぃ

宝玉(たからだま)やてぃん 磨(みが)かにば錆(さび)す
朝夕肝(あさゆちむ)磨(みが)ち 浮世(うちゆ)渡(わた)ら

誠(まくとぅ)する人(ひとぅ)や 後(あとぅ)や何時(いち)迄(までぃ)ん
思(う)む事(ごとぅ)ん叶(かな)てぃ 千代(ちゆ)ぬ栄(さか)い

なしば何事(なにぐとぅ)ん なゆる事(ぐとぅ)やしが
なさぬ故(ゆい)からどぅ ならぬ定(さだ)み