2009-08-26 玉虫と夏の欠片 夏の大きな欠片 遠く近く 白い雲と黒い雲のざわめき アブラゼミの鳴き声と風の流れ 水面を忙しげに行き交ふトンボたち それでも夕方にはヒグラシと虫の声 秋を迎へ何かが動き始めた感触を得る 或る人間の成長と進化 言語の多様化と文字の神秘 官能の充実と成熟 そしてそれを見守る役目 同時に複数の時間の流れを俯瞰してゐる 人間は時間の中に浮きつ沈みつ 我が身の居場所を探り続け 終の棲家を求め彷徨ふ 夏の欠片を拾い集める人生もまた 一興哉