The final frontier, first dream, and forever.

  
Space, the final frontier.
   
  
映画 "STAR TREK" を体験。
めくるめく展開。
かぶりつきの砂かぶりに座ったお陰で、観終はる頃には目が倫巴里に・・・
  
危惧してゐたやうな単細胞的青春映画にはなってゐなかったけど、ちょっと平行宇宙世界に遊び過ぎた嫌いもある。
それにしても新旧二人のスポックの対話までさせて仕舞ったエイブラムス監督の勇気には感心したが、超然悠々と老スポックを演じるレーナド・ニモイもたいしたものだ。1931年、即ち昭和6年生れだから、今年78才てうことになる。もっとも、バルカン人は「長寿と繁栄を」"Live long and prosper"を体現した異星人で平均寿命も二百数十年以上あるはずだが、老スポックが晩年にあることは現実も含めて確かのやうだ。
カークが若い頃から女たらしでワガママで、様々な色恋沙汰に彩られた過去を持つキャラクターであることは、オリジナルシリーズの中でもしばしば見せつけられたことだ。執拗な上目遣ひやふてぶてしい態度は随分監督から叩き込まれたのでせうね、クリス・パイン君。しかし今回は、御幼少より粗野で無謀で果敢な性格であったことに描写の中心が置かれ、色恋はなんと小スポックに譲られてゐて、素直に驚く。それにしてもウフーラ、仕掛け過ぎじゃーなくって?!何も転送室でまでいちゃいちゃしなくても・・・
  
一方敵対するロミュラン人は正統派のダークなイメージでデザインされてゐたし(クリンゴンっぽくもあった)、ちょっと丸めの尖り耳の強調でバルカン人との同根がしっかりと表現されてゐた。また、宇宙船の外観デザインもレッド・ドワーフ号ばりの巨大さで、形状は超合金クラゲの多足体であり、見るからに邪悪だ。
具体的には敵対表現や懲罰の方法としては、一番原始的でハンムラビ法典的な手法が選ばれてゐたが、わかりやすさが優先された結果だらう。
  
さて、肝心の Red matter に関しては今ひとつ情報不足であったが、其の取扱ひの慎重さから絶大な効果を齎す物質であることは察しがつく。ちなみにメリケン国での定義は以下の如し。
  

  
Red matter was an unstable matter with distinct gravitational properties, specifically a propensity to condense into quantum singularities, first seen in the 24th century.
When a star went supernova and threatened the entire Milky Way Galaxy in 2387, Ambassador Spock used his spacecraft, the Jellyfish, to inject red matter into the star, creating an artificial black hole which devoured the star. Unfortunately, Spock was unable to complete his task before the supernova destroyed Romulus.
Both Spock and the Narada, commanded by Nero, were pulled into the black hole created by the red matter. The Narada wound up in the year 2233, where Nero drastically altered the timeline by destroying the USS Kelvin and killing George Kirk. Spock emerged from the black hole in 2258 of the alternate timeline, where his ship was captured by Nero. Nero then used the red matter that was aboard the Jellyfish to create a black hole in the center of Vulcan, destroying the planet.
The Narada was ultimately destroyed when the Spock of that era rammed the Jellyfish into the Narada. The red matter that was aboard the Jellyfish ignited, creating a massive black hole which crushed the Narada before devouring it. (Star Trek)
  

  
英語に弱いので、翻訳サイトで日本語訳を試してみた。
そして簡易翻訳ロボットの結果がコレ↓
  

  • 赤い問題は、24世紀に最初に異なった重力特性(特に量子特異性に凝縮する傾向)を見る不安定な物質でした。
  • 星が行った、超新星、そして、2387年の全ての天の川銀河系を脅します、スポック大使は彼の宇宙船(Jellyfish)を星に赤い問題を吹き込むのに用いられました。そして、星をむさぼった人工のブラックホールをつくりました。残念なことに、超新星ロムルスを滅ぼす前に、スポックは彼の仕事を完了することができませんでした。
  • スポックとナーラダ(ネロによって命じられる)は、赤い問題によってつくられるブラックホールに引きちぎられました。- ナーラダは2233年に終わりました、そこで、ネロはUSSケルヴィンを滅ぼして、ジョージカークを殺すことによって大幅にスケジュールを変えました。スポックは交互のスケジュールのうちの2258でブラックホールから出てきました、そこで、彼の船はネロによって捕えられました。ネロはそれから、バルカンの中央にブラックホールをつくるためにJellyfishに乗ってあった赤い問題を使いました。そして、惑星を破壊しました。
  • その時代のスポックがナーラダにJellyfishを詰め込んだとき、ナーラダは最終的に滅ぼされました。Jellyfishに乗ってあった赤い問題は火がつきました。そして、それを平らげる前にナーラダをがっくりさせた大きいブラックホールをつくりました。(スタートレック)

  
  
ついでに、Google の翻訳能力はこんな具合↓
  

  • 赤い物質重力異なるプロパティを持つ不安定な物質、特に、量子特異点に凝縮するための傾向は、まず24世紀に見られた。
  • 超新星は星が2387年に入り、銀河系全体を脅かし、大使スポックの星に、星のとりこに人工ブラックホールを作成する赤い物質を注入するに彼の宇宙船は、クラゲ、使用されます。残念ながら、スポックの超新星ロミュラス破壊する前に自分のタスクを完了することができませんでした。
  • 両方のスポックとNarada 、 Neroの指令は、ブラックホールの赤い物質によって作成に引っ張っていた。 Naradaは、 2233年は、ここではNeroを大幅に破壊する空母ジョージカークケルビンを殺害することで、タイムラインに変更に傷。スポック2258代替タイムラインは、彼の船Neroで撮影されたのではブラックホールから浮上した。 Neroその後は、バルカンの中心にはブラックホールを作成するには、クラゲに乗っていた赤い惑星を破壊する物質を使用。
  • 最終的には、 Naradaスポックのときに、その時代のクラゲ突っ込んだNaradaに破壊された。赤の問題は、クラゲに乗って発火し、それdevouring破砕する前に、 Narada巨大ブラックホールを作っていた。 (スタートレック

   
  
「クラゲに乗って発火し」かー、う〜〜〜〜〜〜〜む・・・
これだけヒントがあれば、まあだいたいの意味と筋書きはわかるでせう?!
   
キャストに英国系の役者を入れたことや、トレッキー御用達の偏執狂的なこだわりはうまいこと四捨五入したこと、また特撮を多用し乍らも故事の中心はあくまでも人物同士の背景や感情の絡みに置いたところなど、実に卒のない造りが成功の秘訣かな。
兎に角、オリジナルシリーズとの同期や整合を厳密に求めて仕舞ふと少しつらいことになるのでちょっと横に置いといて、大画面に喰ひ付いてしばし、星間航行と様々な感情の交錯と大規模交戦故事を楽しまうではないか。
  
  
ここからは参考までに、一足先に(公開初日)作品を体験なさったスカイトレッカー君のブログからの記事を引用しておかう。

 まずは、監督がJJ・エイブラムスであることに驚き。まさかスタートレックを撮るとは。前作の劇場版同様、スタートレックに興味のない監督に撮らせるのはトレッキースタートレックファンの総称)にしてみれば不安でしたが、蓋を開けてみれば驚くほどの仕上がりで本当に安心しました。一番の不安事は”今までのスタートレックとは別世界の物語である”ということ。
 しかし、それもちゃんと考えて物語を構成していたのはお見事。この映画は若き日のカーク船長を描いているのに別世界。トレッキーからしてみれば一見どう見たら良いのか分かりませんが、23世紀においては船の副長であり、24世紀では惑星連邦大使となってロミュラン星(スポックはロミュランと同族であるヴァルカン人と地球人のハーフ)にいるスポック中佐が非常に上手く使われています。
 今までの正史として扱われていたスタートレックの世界からロミュラン星を災害から救うためヴァルカン科学アカデミーが建造した高速小型宇宙船で救出に向かうがブラックホールが発生し予想外のタイムトラベルをしてしまう。そして、辿り着いた世界は元居た世界の過去ではなく、平行世界(パラレルワールド)の過去であったのだ。要するに「今までのスタートレック世界も存在するけど、これからの新たなスタートレック世界も始まるのですよ」とトレッキー達を納得させているのです。これは上手いやり方だなと思いました。今まで、長いシリーズだった為、常に時代やエピソードの整合性でかなり苦労していたスタートレックですが、これでその呪縛から開放されたわけです。

 エンタープライズのデザインは宇宙大作戦時代のものから大幅にリファイン。初代TVシリーズと劇場版1〜6の折衷様式に見えます。特に居住区である円盤部は劇場版に近いデザインでした。ブリッジや機関室は完全に変更。宇宙船関連で言えば冒頭に登場するUSSケルビンのような船に800人も乗れていたのが不思議でなりません。それにケルビンはワープナセルが一基しか無いような。かなりヘンテコなデザイン・・・。エンタープライズが地上で建造されていたのも違和感がありました。宇宙で建造するのが論理的だとおもうのですが。
 
 クルーは機関主任のモンゴメリー・スコットが恐ろしくオリジナルシリーズに似てません。ドクター・マッコイやスポックは合格。ウフーラーはオリジナルより美人過ぎるし、スポックと恋仲って設定はこの世界だけのものなんでしょうか。カークはやはり似てません。でも雰囲気のせいか、なんとなくオリジナルシリーズを見ているかのように思えてくるから不思議です。

 今回、VFX等を担当したのはスタートレックでは久しぶりにILMが携わっており、映像は弩迫力で見ごたえ抜群。どこを切り取っても隙がない映像を見せ付けてくれます。宇宙を航行するエンタープライズ号は大変に美しいく、もっと見ていたい気持ちにさせてくれました。

 平行世界とは言え、オリジナルシりーズの設定をまったく踏襲していないのが、カークが船の指揮を撮る前に船長だったのがクリストファー・パイク大佐なのは一緒としても、この映画はパイク船長で処女航海だった事。オリジナルではパイク大佐の前にロバート・エイプリル大佐が船長でした。パイク大佐が車椅子になる理由も大幅に変更されていましたし。まっ、パラレルワールドだから、いつもほど気にはなりませんでしたが。
 あと、機関主任モンゴメリー・スコットが実験でアーチャー提督の犬を使い行方不明にしたということを言っていました。おそらく『スタートレック エンタープライズ』のアーチャー船長が提督に昇進していた事を示しているのでしょうが、確かに劇中で犬のポートスを飼っていました。まさか、あの可愛いポートスが実験で犠牲になったのか!?そのような感じでスタートレックマニアであれば細かい違いや共通点を楽しめる事ができたりします。

 そしてエンドクレジットのテーマ曲。なんと66年当時のオリジナルテーマをフルオーケストラが流れ、ディープなファンなら涙モノなはず。映画を堪能したトレッキーはここで余韻を味わいましょう(笑)

 最後に一言。この作品はファンでなくても十二分に楽しめるSF大作になっております。絶対必見なので、是非劇場に足を運んで大宇宙と冒険にじっくりと浸る事を強くお勧めします!!
  

さすがに装飾古墳研究家でもある彼の分析は詳細にまで及んでおり、トレッキースタートレックマニア)の正しい在り方を示してゐる。
更に、映画館で販売してゐたSTARTREKグッズを全て買占めたてう噂も。。。
↓詳しくはこちらをご覧いただくとして・・・
古跡探訪録 : 2009年05月
  
  
此処にも書かれてあるやうに、エンドロールに至りオリジナルシリーズのテーマ曲(フルオーケストラのやうだが正確には少し現代風にアレンジされてゐたが)が流れ、ワープ航法の光陰矢の如し・・・
勿論劇中にも、オリジナルシリーズで執拗に聞えてくる「ピニョーン、ピニョーン」てう船内こんぴうたの電子音が常に鳴ってゐましたが、転送シーンの人体素因数分解は縦位ではなく、複雑に交差する横位の回転運動であった。
  
  
それよりもなによりも、本来冒頭で流されるべきあのナレーション、
  
  
Space: The final frontier
These are the voyages of the Starship, Enterprise
Its 5 year mission
To explore strange new worlds
To seek out new life and new civilizations
To boldly go where no man has gone before
  
   
  
この夢と希望と期待に満ちたナレーションが老スポックことレナード・ニモイの声で流れてきた時には、さすがの偉人も感極まって劇場のシートに深く身を沈め、感涙を禁じ得なかったのでありました。