水の惑星


   
  

   
  
終日雨。
夕方から大雨。
夜になって大雷雨。
庭に水溢れ、陋屋の数カ所で雨漏り・・・
焙ってゐた竈の火がいつのまにか消へ、雨の所為で少しく肌寒い。
深夜に至れども雨止まず、紫色の雷光がしきりに光り、遠く近く地鳴りのやうな雷鳴の群れ。
風混じり雨渦巻く夜の庭に出てみると、大量の雲が低く低く、ふだんでは見たことのない方向に流れて行く。
其の様子は恰も、台風の一夜か梅雨末期の破天荒の如し。
仕舞ひかけた火鉢持ち出し、炭火に掌を炙る丑三つ時。